大阪大学、岡山大学、神戸大学、名古屋大学の研究グループは11日、新たに開発した有機半導体が光から電流へのエネルギー変換への妨げとなる励起子束縛エネルギーの低減に成功し、作製した有機太陽電池で従来より優れた特性を得たと発表しました。
研究成果は8月12日にドイツ化学会誌「Angewandte Chemie International Edition」にオンライン速報版として掲載されました。
有機半導体は、シリコンなどの無機半導体に比べて軽量、柔軟性などの利点がありますが、励起子が強いエネルギーに束縛されているため、自由電荷への変換が進行しにくいのが課題です。
研究グループは励起子束縛エネルギーを抑える有機半導体の開発に取り組み、正電荷と負電荷の空間的配置を分離する設計を実現しました。これを使用して太陽電池を作製したところ、最大で3.6%の量子効率を示しました。エネルギー変換効率は小さいものの、単成分の有機太陽電池としても機能することが示せたとしています。
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