シャープ鴻海EV  IItCcL-xシャープが開催した技術展示イベント「SHARP Tech-Day’24 “Innovation Showcase”」の初日となる9月17日、「EVのグローバル動向とシャープのEV取り組み方針」と題した基調講演が行なわれ、シャープ 専務執行役員 CTO兼ネクストイノベーショングループ長の種谷元隆氏と、シャープの親会社である鴻海精密工業(Foxconn:フォックスコン) EV事業CSO(最高戦略責任者)の関潤氏による基調講演が開かれた。講演の後半では、「EVの新たな価値創造」と題した2人よるクロストークも行なわれた。

 関氏は、日産自動車の副COO(最高執行責任者)やニデック(日本電産)の社長を務めたのち、2023年2月からFoxconnグループのEV事業に参画している。シャープはFoxconnのEVオープンプラットフォームを活用してEV事業に参入することを発表しており、同氏は「シャープのEV戦略においても重要な役割を果たすことになる」と語る。






基調講演では、最初にシャープの種谷CTOが同社のEV戦略について説明。「なぜシャープがいまEVに取り組むのか、という質問をよく受ける。今回、EVに取り組む背景にあるのは、FoxconnグループがEVプラットフォームを確立し、台湾では相当な数のクルマを販売し、すでに多くのEVが街中で走っていること、シャープのテクノロジーがEVに新たな価値を付加できると考えたことにある」とし、「LDK+は、リビング、ダイニング、キッチンという自宅の部屋に、もう一部屋加えるという意味を持たせている。
EVは人を移動させるツールであり、荷物を運ぶツールであるが、家で充電しているときは明日の稼働に備えて準備をしているに過ぎない。この時間、この空間を有効に利用できる可能性があるのではないかという発想から生まれたEVである。自動運転などが進展すると、EVの中でどう過ごすのか、どうリラックスするのかといったことがこれからの価値になる。移動すること以外での便利機器としての役割を果たすのがLDK+」と位置付けた。
生活をするための便利機器である家電を提供してきたシャープだからこそ、移動すること以外でも便利機能を提供でき、それが「家電EV」を実現するというわけだ。