sony game monitor 003
2024年9月25日,ソニーは,ゲーマー向け製品ブランド「INZONE」から,eスポーツゲーマー向け27インチ有機ELディスプレイ「INZONE M10S」と,27インチ液晶ディスプレイ「INZONE M9 II」を10月25日に発売すると発表した。
 税込のメーカー想定売価は順に17万4900円前後,13万2000円前後である。

 INZONE M10Sは,eスポーツゲーマー特化型の製品として,プロチーム「Fnatic」と共同開発したという製品だ。有機ELパネルの特徴を生かした垂直最大リフレッシュレート480Hz,中間調(Gray to Gray)応答速度0.03msという高速表示と,FPSのeスポーツタイトルに特化した表示機能を備えるのが見どころである。

表示機能のひとつは,eスポーツ向け画質モード「FPS Pro+」と「FPS Pro」だ。







 FPS Pro+は,その名のとおりFPSに特化した画質モードで,映像全体の彩度は抑えつつ,キャラクターの輪郭に使われる赤色や黄色,紫色などを強調して,さらに輝度やコントラストを上げて敵の視認性を高めるというものである。映像全体の色調は極端に変えないので,特定のFPSで役立ちそうだ。

 一方のFPS Proは,Fnaticの選手からの要望に応えたという,かなり特殊な画質モードで,FPSの競技会でよく使われているTN液晶パネルの画質を再現するというものだ。
 TN液晶パネルと言えば,応答速度は速いものの,表示色域が狭くてコントラスト比も低いなど,今となっては画質面で褒めるところはまったくない。しかし,TN液晶パネルの見た目に慣れすぎたプロeスポーツ選手からすると,今どきのIPS液晶パネルやVA液晶パネル,あるいは有機ELパネルの映像品質とは差がありすぎて,逆に視認性に問題を感じることもあるようだ。
 そこで,あえて有機ELパネルでTN液晶パネルの画質を再現することで,TN液晶ディスプレイから移行しやすくしたのがFPS Proモードである。TN液晶ディスプレイに慣れたプロ選手以外には,ほとんど使い道がなさそうな機能であるが,eスポーツ特化型らしい特徴ではある。
 もちろん,有機ELパネルを採用するだけあってINZONE M10S本来の画質は良好で,eスポーツタイトルだけでなく,映像美を堪能するゲームにも適している。

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