2024年9月に発売されたApple「iPhone 16」「iPhone 16 Pro」を分解した。前世代の「iPhone 15」シリーズに比べて、内部構造なども大きく変化している。分解結果からは、Appleが同じiPhone 16シリーズでも、主要コンポーネントを一つ一つ最適化していることが伺えた。
Appleは例年通り、9月に多数の新製品を発表し、販売を開始した。10周年モデルとなる「Apple Watch Series 10」、第4世代となる「AirPods 4」(アクティブノイズキャンセル機能の有無で2機種)、USB-C端子に変更されたヘッドフォン「AirPods Max」、そして4機種の「iPhone 16」が発売された。弊社では発売当日の9月20日に上記全機種を入手し、AirPods Max以外は既に分解解析を終了し、弊社の定期刊行「テカナリエレポート」の発行を終わらせている。
図1は発売されたばかりの「iPhone 16 Pro」の様子である。2023年モデルの「iPhone 15 Pro」に比べてディスプレイサイズが6.1インチから6.3インチに、一回り大きくなったので本体サイズも若干増えている(厚さは同じ)。機能としてはプロセッサが「A17 Pro」から「A18 Pro」に置き換わり、Wi-Fi通信もWi-Fi 6EからWi-Fi 7に、Ultrawideのカメラが12MPから48MPに進化した。また望遠カメラは、2023年のiPhone 15 Proの望遠カメラは光学ズームが3倍であったが、「iPhone 15 Pro Max」に採用された5倍光学ズームが、ほぼそのままの形状で2024年のiPhone 16 Proに移植され5倍ズームが可能となっている。他にもカメラボタンが設置され、25Wのワイヤレス充電に対応したことなど、前モデルに比べて多くの進化を実現している。
図2はiPhone 16 Proの内部の様子である(右端)。内部構造が大きく変わったので、2023年モデルのソニ「Xperia 1 V」、iPhone 15 Pro、2024年のソニー「Xperia 1 VI」とiPhone 16 Proを図2に掲載した。iPhoneの分解手順は、ディスプレイを取り外して内部という構造。一方、ソニーのXperiaや中国のXiaomi、VIVO、OPPO、Huawei、韓国Samsung Electronicsの「Galaxy」シリーズ、Googleの「Pixel」シリーズなどいずれも、ソニーのXperiaと同じ、カメラレンズがある側の背面カバーを取り外して内部という構造である。
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