Screenshot 2024-11-20 08.40.48世界のスーパーコンピューターの計算速度を競う最新のランキングで、米国の「エル・キャピタン」が新たに1位となった。理化学研究所と富士通が開発した「富岳(ふがく)」は前回の4位から6位に下がった。1位から4位までを米国勢が占めた。

専門家の国際会議が米国時間18日、半年ごとに集計するランキングの最新版を公表した。スパコンは先端技術研究におけるインフラの役割を担っている。近年は人工知能(AI)の開発基盤としても重要性が増しており、国の科学技術力を示す指標として注目されている。








エル・キャピタンは米ローレンス・リバモア国立研究所が運営する。1秒間に174.2京回(京は1兆の1万倍)の計算性能を示した。前回まで5期連続で1位だった米オークリッジ国立研究所の「フロンティア」は2位に後退したが、計算性能は120.6京回から135.3京回に高まった。

5位にはイタリアの「HPC6」が新たにランクインした。欧州で最も計算速度の速いスパコンとなった。日本では富岳の後継機の開発が2025年に始まる。従来のシミュレーションと、AIの開発と運用の両方の計算で世界最高の性能を目指す。


スーパーコンピューター1_oトップの座に輝いたのは、米国カリフォルニア州ローレンス・リバモア国立研究所(LLNL)に設置され、AMD製CPUとAPUを搭載した「El Capitan」だった。
 El Capitanは「HPE Cray EX255a」システムで構築される。CPUには1.8GHz駆動で24コアを備えた第4世代EPYCプロセッサを採用するほか、APUとしてInstinct MI300Aを搭載した。CPUとGPUの“コア数”合計は1,103万9,616基。Cray Slingshot 11ネットワークを用いてデータを転送し、58.89GFLOPS/Wのエネルギー効率を実現しているという。

その演算能力はHPL(High Performance Linpack)スコアで1.742EFLOPS、システムの合計ピークパフォーマンス2.79EFLOPSに達し、従来のNNLNのもっとも強力なスパコンであるSierraの性能の20倍以上になるという。コンピューティングノードは11,000を超え、メモリは5.4375PB。

 El Captainは米国における核兵器科学や科学的発見をするための演算リソースであるため、機密扱いにされている。一方で、El Capitanと同じアーキテクチャや部品で構築されているものの、サイズを10分の1に抑え、演算能力を288.8PFLOPS(HPLスコアは208.1PFLOPS)とした非機密扱いの“姉妹”システムの「Tuolumne」も用意。こちらも10位の性能となっているが、気候変動影響のモデリングや、高解像度の地震モデリング、高度な製造、持続可能エネルギーの調査といったオープンサイエンスを推進する。


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