
「85V型以上の選択肢を広げ、新たなテレビ市場を創出していく」
TVS REGZAの石橋泰博副社長は、11月20日に行った85V型から110V型までの大画面4K液晶レグザ発表会の席でこう強調した。
2023年末に100V型のレグザを発売してから1年。想定以上の販売につながっていることや海外市場での大画面化の進展などから、今年新たに85V、100V、110V型の高精細4K液晶テレビ4機種の投入を決めた。
国内市場はこれまで50V、55V型が大画面テレビの中心で、各メーカーとも主力モデルでは55Vを軸に65V型までを多くそろえるところが多かった。4K有機ELテレビは55V、65V型が中心で、パネル供給の関係から、この上に77V型をフラグシップ機として置くメーカーが多い。
◆高画質化に磨き
ここ数年は、液晶でミニLEDバックライトを搭載したモデルが増え、高画質化に磨きがかかるとともに大画面化が加速。65Vの上に75V、85V型をそろえるところが増えた。
この一年、海外メーカーを中心にさらに大画面モデルを展開する動きが活発化。中国テレビ大手TCLの日本法人TCLジャパンエレクトロニクスは国内最大規模の115V型の量子ドットミニLED搭載テレビを投入した。TCLは上位機に98V、85V型をそろえるほか、幅広いシリーズで75V型まで選べる。
LGエレクトロニクスジャパンは4K有機ELテレビで大画面モデルを充実させている。パネル供給元でもある強みを生かし、上位機では他社同様の77Vのほか、83V、97V型まで用意。液晶は各製品群で86V型をそろえている。
中国テレビ大手のハイセンスも大画面モデルを多くそろえる。4K液晶モデルやミニELD4K液晶の主力シリーズは65V、75V、85V型まで、量子ドット4K液晶テレビでは100V型を投入している。
国内メーカーではソニーがミニLEDバックライト4K液晶モデルの上位機で85V型まで、4K液晶も各シリーズで最大85V型までそろえている。有機ELは最大77V型を展開している。シャープは4K液晶では主力製品ラインで最大75V型まで、4K有機LEは77V型までそろえるが、80V型以上は超高精細8K液晶テレビのみで、切り分けている。パナソニックは、主力テレビは55Vと65V型を軸に展開。4K有機ELで77V型を用意する。
大画面テレビが日本の住宅環境にどこまで合うのか様子をみる動きもあるが、TVS REGZAは大画面テレビ購入者の増加と満足度の高さから市場の潜在需要は高いとみている。同社によると、24年のパネル構成比はグローバル市場では65V型以上が34%に、日本は50V型が約50%、65V型以上が22%という。
現在は視聴距離で画面サイズを提案する。2メートルより近い距離で見る場合は55V型、2メートル以上離れて見るなら65V型、2.6メートル以上なら85V型、3メートル以上なら100V型を推奨。シャープは16畳以上の部屋には70V型以上を提案している。
15日にオープン1周年を迎えるエディオン横浜西口本店(横浜市西区)はテレビ売場を大幅に改装した。「ライフスタイルの変化に合わせ、大画面テレビの壁寄せ、壁掛け設置を意識した」(住田徳也店長)ほか、入り口付近に主要メーカーの100V型クラスの大画面テレビを展示。ハイセンスの大画面テレビも並べて確認できるようにしている。
市場価格も、85V型クラスで50万円を大きく下回るものが多く、100V型でも100万円以下になってきた。テレビ本体が薄くなり、画面の狭額縁化が進み、大画面テレビの設置の自由度は上がっている。ミニLEDバックライト搭載液晶テレビの広がりで大画面でも高コントラストかつ高精細な映像を楽しめるようになった。
販売店側の提案力も重要だ。TVS REGZAの本村裕史レグザブランド統括マネージャーは「大画面になると細部がよく見え、映像がリアルに感じられる。大画面でリアル感が増し、映像体験を身近に感じられる」と話す。大画面の良さをいかに伝えられるかも拡販の鍵を握りそうだ。
※記事の出典元はツイッターで確認できます⇒コチラ
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