
研究では、超撥液加工を施した基板上に、インクジエットプリンティング技術により、優れた耐久性と不揮発性を示すイオン液体である1-ethyl-3-methylimidazolium tetrafluoroborateに有機色素を添加した溶液を小さな液滴として吐出した。その結果、一般に利用されている液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの1画素とほぼ同等サイズとなる、直径30μmほどの液滴が得られた。
インクジェットプリンターで作成した液滴は、基板上に高い位置精度で設置でき、40インチ8Kモニターと同等の解像度で2cm四方に液滴を敷き詰めることに成功している。技術的には、同等の密度で、より大きな領域にも液滴を設置できる。今回開発したデバイスは、室温大気下で数カ月以上にわたり安定しており、機械的な振動が加わっても液体が漏れなかった。
この液滴は、赤色のレーザー光(液滴レーザー)が放出されていることが明らかになった。また、透明な電極で挟んだ液滴に電場を印加すると、球体の液滴が楕円球体へと変形し、レーザー光の放出が止まった。視覚的にもこの変化が確認でき、作成した液滴が、ディスプレイの「ピクセル」として利用できることが示された。
一般に、レーザー光を得るには液滴が球体である必要があり、電場による変形がレーザー光の放出を止めたと考えられる。この仮説を検証したところ、楕円状に変形した液滴の内部における歪んだ光の経路がその原因であることを突き止めた。さらに、液滴を2×3のアレイ状に配置したレーザーアレイデバイスもレーザー発光の電気的なスイッチングに成功した。
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