京セラ Qm7BGLoQ京セラ(京都市)が、鹿児島県薩摩川内市の鹿児島川内工場内に建設した新工場の稼働を見合わせていることが20日、分かった。当初は2023年10月稼働を目指していた。新工場では主に半導体部品の有機パッケージ増産を計画していたが、同社が得意とする中央演算処理装置(CPU)を使うデータセンター(DC)向けの需要低迷を受け判断した。稼働時期は未定で、市況動向を注視し検討するという。

 同社は薩摩川内市と22年4月に立地協定を結び、同社の国内工場では最大規模の建屋(延べ床面積6万5530平方メートル)を建設。第5世代移動通信システム(5G)の普及で、市場が拡大するDC向けの増産を見込んでいた。ただ近年は画像処理装置(GPU)を使う人工知能(AI)対応のDCが主流に。同社の有機パッケージは主にCPU向けのため、戦略の見直しを迫られた。








 同社によると、建屋は23年10月完成。当初625億円の投資額は資材高騰などで800億円を超えた。計画では400人の新規雇用も計画。同社は「個別事業の人数は非公表」とする一方で、22年4月以降、今春入社を含め川内工場全体(約5000人)で1000人超を採用し、有機パッケージ事業の採用分は「配置転換などで対応している」という。

 同社は「CPU向けが重要な位置付けにあることは変わらず、今後需要が戻る可能性がある」とコメント。稼働見合わせについては、人手不足で内部工事の遅れも一因とした。内部工事は今夏完了予定としている。

 同市によると、稼働延期の報告はこれまで2回。24年8月には「27年10月」と連絡があった。それ以降はないという。市は「京セラ本社から説明を受けていないのでコメントできない」とした。

※記事の出典元はツイッターで確認できます⇒コチラ