
──今日はよろしくお願いします。まずは、御社とJAPANNEXTの関係性について教えていただけますか?
小此木勇太氏(以下、小此木氏):まず、サムスンディスプレイの事業部について説明させていただくと、取り扱う製品サイズによって、大型事業部と中小型事業部の、大きく2つの事業部に分かれています。中小型事業部が、スマートフォンやタブレットなどの小さいサイズの有機ELディスプレーを手掛けていまして、今回のQD-OLEDはモニターサイズということで、大型事業部の管轄となっています。大型事業部では、今回のモニター向けのほかに、テレビ向けの製品も扱っています。そして、昨今ハイエンドモニター市場の拡大が顕著なこともあり、大型事業部では現在モニター向け、その中でもゲーミングモニター向けビジネスに注力しています。今回のQD-OLEDとは直接関係ないのですが、サムスングループとして東京ゲームショウ2024に出展した際、JAPANNEXTさんのモニターを使わせていただきました。
そのほか、JAPANNEXTさんのモバイルディスプレーにはサムスンディスプレイ製有機ELパネルを採用していただいているということもあり、両者は良好な関係を築けていると思っています。
──御社のQD-OLEDの取り組みについて教えていただけますか?
高橋一揮氏(以下、高橋氏):弊社は2022年ごろからQD-OLED製品を手掛けています。2023年から34型のQHD+や49型のDQHDといった製品を量産していまして、2024年には27型のQHDや31.5型のUHDをワールドワイドのお客様に販売している状況です。今年(2025年)は、新たに27型のUHD製品をこれから発売する予定です。PPIが技術的にも高解像度に対応でき、そういった製品も増えてきていまして、ゲーミングモニターという観点では高リフレッシュレートのモデル、UHDですと240Hz、QHDですと2025年では500Hzまで対応できる製品を準備しています。さらに、QD-OLEDとしては、材料における技術的進化に取り組んでいまして、2022年から3代目となる新しい材料を用いた製品が今年中から出てくると形です。今年は27型のUHDで160ppiを発売する予定なのですが、将来的にはさらに高解像度化を進める形で、2028年ごろには220ppiの製品をプランニングしています。
金 相勲氏(以下、金氏):QD-OLEDは、QD層(量子ドット層)をインクジェット方式で製造します。高解像度化のために、インクジェット技術は非常に重要であり、同時に非常に難しい工程です。極小の的に目がけてインクを滴下するその精度は、人間大で例えると、約2500万のバスケットゴールすべてに1つあたり3~6発のシュートを成功させるような精度に匹敵します。それを連続で、しかも高速で行ない続けるわけですから、想像もつかない難しさであることがわかると思います。
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