
コア事業の車載/スマートウォッチ/仮想現実(VR)などは顧客需要の軟化で減収。ノンコア事業の液晶スマートフォンは戦略的な事業縮小によって減収した。営業利益は、製品ミックスの改善と固定費の削減を行ったものの、売上高減少の影響が大きく損失が拡大した。
「1日も早くディスプレイ以外の収益源を」
JDIの会長兼CEOを務めるスコット・キャロン氏は業績について「予想通りだった」と述べ、背景として、ディスプレイ産業が収益を上げにくい構造的な問題があると説明した。半導体やセンサー、マイクロディスプレイは開発が進むと原則小型化していくのに対し、汎用ディスプレイは大型化していく。ディスプレイは大型化すると基板当たりの製品数が減少して設備投資も大きくなる一方で、販売単価は完全に連動するわけではないため、事業の経済性が減少していくのだという。
キャロン氏はJDIの現状について「赤字の止血策を早急に行うと同時に、1日も早くディスプレイ以外の収益源を作らなくてはいけない」とした。
茂原工場は売却へ AIデータセンターに転換
決算発表に先立つ2025年2月12日には、茂原工場(千葉県茂原市)での生産を2026年3月に終了し、比較的固定費の安い石川工場(石川県川北町)に生産機能を集約することを発表した。
石川工場には茂原工場の設備を一部移設し、高付加価値ディスプレイ、センサー、先端半導体パッケージングを同時に生産する「MULTI-FAB」とする。柔軟性と生産性、コスト競争力が高く、幅広い顧客に対応できる生産体制を目指す。
茂原工場は今後、広大な面積や電力/水の供給設備を生かし、需要の高いAIデータセンターに転換、売却する考えだ。
茂原工場の生産終了に伴い、有機ELディスプレイ(OLED)は自社生産を中断する。次世代OLED「eLEAP」も茂原工場で生産を予定していたが、ファブレス化を進め、設備投資を削減しながら生産能力拡大を図る。キャロン氏は「ファブレスで成功するには唯一無二のIP(Intellectual Property)がなくてはならないが、eLEAPはそれにあたる。ファウンドリーパートナーとして数社が手を挙げてくれていて、現在協議中だ」と説明した。
「今回はリターンが高い」米国に工場建設へ、米国メーカーと提携
OLEDの自社生産を中断する一方で、同時に米国のOLEDメーカーであるOLEDWorksとの提携も発表した。JDIが技術や設備を提供する現物出資を行い、米国に最先端ディスプレイ工場を設立する。建設地は検討中で、ニューヨーク州などが候補に挙がっているとした。
現在米国にはOLED工場がなく、米国国防総省が安全保障上の懸念からJDIに工場立ち上げを打診したという。キャロン氏は「これまでJDIは投資に対するリターンが少ないことを懸念されていたが、今回の件はとてもリターンが高い」と説明した。
先端半導体パッケージングにも注力
新たな収益源として注力する半導体パッケージング事業については、2社との戦略提携を発表した。1社目は東京科学大学発の半導体スタートアップ、テック・エクステンション(以下、TEX)だ。TEXはWafer on Wafer(WOW)、Chip on Wafer(COW)といった積層/集積技術に強みを持つ。従来の平置きチップレットを3次元でコンパクトにまとめ、バンプを利用せずに小型化するアーキテクチャである技術「BBCube(Bumpless Build Cube)」をJDI石川工場に導入する計画だ。
2社目は台湾を拠点に先端半導体パッケージングやセンサーを手掛けるPanelSemiだ。PanelSemiはディスプレイ由来のタイリング技術やTFT(Thin Film Transistor)技術を保有している。JDIとPanelSemiの技術を活用して、ガラスをキャリアとした有機インターポーザーや半導体パッケージング用セラミック基板を共同で開発し、JDI石川工場で生産する。
JDIは「2社との提携は異なるアプローチで進めるが、石川工場を最大限に活用し、両者の技術を合わせて提供できる」とした。
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「今回はリターンが高い」米国に工場建設へ、米国メーカーと提携
OLEDの自社生産を中断する一方で、同時に米国のOLEDメーカーであるOLEDWorksとの提携も発表した。JDIが技術や設備を提供する現物出資を行い、米国に最先端ディスプレイ工場を設立する。建設地は検討中で、ニューヨーク州などが候補に挙がっているとした。
現在米国にはOLED工場がなく、米国国防総省が安全保障上の懸念からJDIに工場立ち上げを打診したという。キャロン氏は「これまでJDIは投資に対するリターンが少ないことを懸念されていたが、今回の件はとてもリターンが高い」と説明した。
先端半導体パッケージングにも注力
新たな収益源として注力する半導体パッケージング事業については、2社との戦略提携を発表した。1社目は東京科学大学発の半導体スタートアップ、テック・エクステンション(以下、TEX)だ。TEXはWafer on Wafer(WOW)、Chip on Wafer(COW)といった積層/集積技術に強みを持つ。従来の平置きチップレットを3次元でコンパクトにまとめ、バンプを利用せずに小型化するアーキテクチャである技術「BBCube(Bumpless Build Cube)」をJDI石川工場に導入する計画だ。
2社目は台湾を拠点に先端半導体パッケージングやセンサーを手掛けるPanelSemiだ。PanelSemiはディスプレイ由来のタイリング技術やTFT(Thin Film Transistor)技術を保有している。JDIとPanelSemiの技術を活用して、ガラスをキャリアとした有機インターポーザーや半導体パッケージング用セラミック基板を共同で開発し、JDI石川工場で生産する。
JDIは「2社との提携は異なるアプローチで進めるが、石川工場を最大限に活用し、両者の技術を合わせて提供できる」とした。
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