
北朝鮮には、軍事行動がいかにペイしないか(投資に見合わないか)を思い知ってもらう意味で、金正恩肝いりのこのプロジェクトをアメリカへ開放させるトランプ大統領のコミュニケーション力に期待したいですね。
トランプ大統領が就任(1月20日)早々に「金正恩(キム・ジョンウン)に連絡してみる」と発言したことから米朝対話の復活、米朝首脳会談の再開が取り沙汰されている。
トランプ大統領が就任(1月20日)早々に「金正恩(キム・ジョンウン)に連絡してみる」と発言したことから米朝対話の復活、米朝首脳会談の再開が取り沙汰されている。
トランプ大統領は大統領選挙期間中に「金正恩は私を待っている筈だ」と何度も口にしていたが、北朝鮮はトランプ第1次政権下での米朝首脳会談の失敗に懲りて「米国とは二度と対座しない」と宣言し、実際にバイデン前政権の4年間米国との対話を拒んできた。
北朝鮮はトランプ大統領がカムバックしても意に介さず、昨年末に開かれた労働党中央委員会総会拡大会議で最強硬対米対応戦略を打ち出し、今年も新型極超音速中・長距離弾道ミサイル(IRBM)や新型潜水艦発射弾道ミサイル(SLCM)を発射している。
トランプ大統領は就任(1月20日)したその日に北朝鮮の海岸沿いのコンドミニアムについて以下のように言及していた。

「私は金正恩はべらぼうなコンドミニアムの力量を持っているとみている。金正恩は数多くの海岸を持っている」
振り返れば、トランプ大統領は7年前の2018年にシンガポールで金総書記と初の首脳会談を行った直後の6月23日、キリスト教ケーブル放送「TBN」とのインタビューでも「北朝鮮はロケーションの側面でとてつもない潜在力を持っている。驚くほどの不動産に、信じ難いほどの自然の潜在力を持っている。金正恩はここで何かやろうとするだろう」と述べていた。この時、インタビュアーのマイク・ハッカビー・元アーカンソー州知事が「北朝鮮の海岸にコンドミニアムをつくる気か?」と尋ねると「そういうことになるだろうと確信している」と答えていた。
トランプ大統領が言及している北朝鮮の海岸とコンドミニアムとはおそらく、金総書記が2018年1月の新年辞で「開発を最短期間内に完工せよ」と訓示していた江原道の元山と葛麻(カルマ)海岸観光地区を指しているものとみられる。

日本海(東海)側の明沙十里の長い砂浜沿いに大型海岸リゾート施設やウォーターパークなどが建設中で、すでに空港からリゾート地に直結した鉄道のレールも敷かれており、米朝首脳会談が開催された歴史的な月となる今年6月には完成する見込みである。
金総書記は当初は「2019年10月10日の人民への贈り物にしよう」と、同年10月までの完成を命じていたが、この年の2月にハノイで行われた2度目の米朝首脳会談決裂の余波もあって、開発にブレーキがかかり、工事が遅れに遅れていた。
元山は日本では新潟との間を往来していた万景峰号の母港として知られているが、かねてより避暑地として人気があり、経済制裁前までは中国人観光客が多く訪れていた。従って、北朝鮮が元山を「観光化」するには経済制裁の緩和ないしは解除が不可欠である。そうでなければ、経済不振の象徴として半ば廃墟のまま37年間も平壌のど真ん中にそびえ立っているビラミッド型の柳京ホテルの二の舞になりかねない。
不動産王のトランプ大統領は元山と葛麻海岸地区観光開発が金総書記の肝いりの国家プロジェクトであることから投資をリンクさせることで北朝鮮を対話の場に誘いだす考えのようだ。即ち、制裁解除というアメをちらつかせることで対話の糸口を見出そうとしている。制裁を解除し、投資を約束することで「北朝鮮の完全な非核化」を究極的な目標に定めつつも当面北朝鮮の核保有を黙認し、核凍結を条件に交渉に臨むものとみられる。

偶然の一致と言えば、それまでだが、シンガポールでの初の米朝首脳会談はリゾート地、セントーサ島のキャペラホテルで行われていた。金総書記がこのホテルを絶賛していたことは周知の事実である。
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