kuramoto倉元製作所は2025年2月から、中国企業がAI(人工知能)を応用して開発した清掃ロボットの国内工場での受託生産を開始した。
中国艾唯尔科技(IWITH Smart Technology、以下IWITH)が開発した業務用清掃ロボットで、稼働時の障害物回避、清掃経路の生成、ゴミが多い場所の検知などにAIを利用しているという。
倉元製作所の花泉工場(岩手県一関市)において月産50台を製造する。最終的には同300台に増やす計画としている。

日本国内の顧客には日本製品を求める傾向があり、そのニーズに対応する。さらに国内製造品であれば、顧客が導入する際に中小企業省力化投資補助金などの補助金を活用しやすくなる。そのため、IWITHのロボットについて国内向けカスタマイズ開発、販売、メンテナンスサービス提供を担うアイウイズロボティクス(東京・品川)は、日本国内での製造を模索していた。








 倉元製作所は、アイウイズロボティクスの親会社でもある。アイウイズロボティクスは、労働力不足が顕在化してきた日本で業務支援ロボットの市場が見込めるとして2023年に設立され、大手コンビニエンスストアやパチンコ・パチスロ店、小売店舗、ビルメンテナンス業などの企業に清掃ロボットを提供してきた。倉元製作所は2024年11月に、製造の受託を前提にアイウイズロボティクスを買収して子会社化した。

 これまで倉元製作所は、液晶ディスプレーパネル向けのガラス基板加工事業を手掛けていたが、液晶ディスプレーの市場縮小を受けて2024年10月に事業を停止、花泉工場での生産も停止した。IWITHのロボットに関連する事業はガラス基板加工事業の代替となる新規事業の1つであり、ロボット製造には事業停止で余裕が生じた工場スペースと作業者を充てる。倉元製作所は石英ガラスやSiC(炭化ケイ素)の加工など、これまでの技術を生かした半導体製造装置部品加工も始めている。

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