話はズーンと飛んで、今月6日のホンダと日産の経営統合の「破談劇」。ホンダが株式時価総額で2割に過ぎない日産を子会社化しようとしたが、「日産のプライド」が許さなかったという話だ。
私は日産のクルマを買ったこともないが、いまから15年ほど前に北京で駐在員をしていた時分、頻繁に訪中していたカルロス・ゴーン会長(当時)のスピーチを何度も聴いた。そしてこの方を間近で見るたびに「訒小平の黒猫」を想起したものだ。
非情で独裁的、おまけに公私混同も甚だしいゴーン会長は、その魁偉な容貌もあいまって、どう見ても「黒猫」の部類だ(失礼)。だが実に巧みにネズミを捕った(儲けた)。
日産は「負け組の代名詞」
日産の純利益は、2018年3月期決算の7469億円が頂点だ。同年11月にゴーン会長が羽田空港で「電撃逮捕」されてから急降下。いまや世界2大市場である中国とアメリカで「負け組の代名詞」だ。

なぜ「ダメ日産」かと言えば、「決められない男」内田誠社長以下、52人もの頭でっかちの取締役たちが指揮を執り、顧客がさして魅力を感じないクルマを量産しているからだ。私には、会見に出てくる内田社長の相貌が、フジテレビの港浩一前社長と重なってしまう(こちらも失礼)。
そもそもなぜ、ホンダと日産が慌てて「政略結婚」を目指したかと言えば、ホンハイ(鴻海精密工業)という台湾最大の企業(昨年の売上高は約32兆円)が日産を買収しようとしたからだ。日本の「最後の基幹産業の柱」が外資に買われてはならぬということで、経済産業省が「仲人」になって「見合い」させたのだ。
日産は「第二のシャープ」か
実は2016年にも類似例があった。経営危機に陥ったシャープをホンハイが買収しようとしたら、経産省が待ったをかけた。
だが結局、ホンハイが3888億円をはたいて買収。送り込まれた戴正呉という名経営者が、見事にV字回復させた。その経緯は著書『シャープ再生への道』に詳しい。
経産省は同じ台湾のTSMC(台湾積体電路製造)の工場を熊本に誘致した時は、4760億円もの補助金を積んで三顧の礼で迎えた。昨年末に本格始動したTSMCの熊本工場は私も視察したが、九州全体の経済を活性化させるインパクトだ。
日台の連携は現在、防衛産業分野でも進んでいる。中国という「共通の敵」を前に、ドローンなどハイテク兵器での協業が始まっているのだ。
私の見立てでは、日産も早晩、シャープと同様の運命を辿るだろう。すなわちどちらも頭に「ホン」が付くが、買収するのはホンハイの方だ。それでも「ホンチー」(紅企=中国共産党系企業)に買われるよりマシだ。
※記事の出典元はツイッターで確認できます⇒コチラ
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