Screenshot 2025-04-05 19.49.34Nintendo Switch 2が発表され、スペック向上に期待が高まる一方、ディスプレイに有機EL(OLED)ではなく液晶(LCD)が採用されたことに疑問の声も上がっている。任天堂は、この決定の背景にはHDR(ハイダイナミックレンジ)への対応と、LCD技術自体の進歩があったと説明している。

多くのファンが期待した有機ELパネルではなく、液晶パネルが採用されたNintendo Switch 2。その理由について、任天堂の技術開発本部 本部長であり技術開発部部長を務める佐々木哲也氏は、海外メディアIGNなどが参加したラウンドテーブルQ&Aにて、決して軽々しい決定ではなかったと語っている。

佐々木氏は、「開発中にLCD技術には多くの進歩があった」と述べ、「利用可能な技術を検討し、多くの考慮の結果、LCDに固執することにした」と説明した。特に強調されたのが、HDR(ハイダイナミックレンジ)への対応である。








「Nintendo Switch(有機ELモデル)では、HDRへの互換性サポートはありませんでしたが、今回はサポートしています」

HDRは、従来のSDR(スタンダードダイナミックレンジ)に比べて、より広い明るさの幅(ダイナミックレンジ)を表現できる技術である。これにより、ゲーム内の明るい部分(太陽光や爆発など)はより眩しく、暗い部分(影や夜景など)はより深く沈んだ黒で表現され、現実に近い臨場感あふれる映像体験が可能となる。Switch有機ELモデルでは非対応だったこのHDR機能を、Switch 2では実現するためにLCDが選択された、というのが任天堂側の主な説明である。

Screenshot 2025-04-05 19.52.10今回の決定に対し、特に現行のSwitch 有機ELモデルのユーザーからは、画質面での「ダウングレード」を懸念する声も聞かれる。ここで、Switch 2の液晶とSwitch 有機ELモデルの有機ELを比較してみよう。

このように、Switch 2のLCDは、解像度、HDR、VRRといった機能面で明確な進化を遂げている。しかし、有機ELが持つ「漆黒の表現」や「高いコントラスト比」といった特性を好むユーザーにとっては、物足りなさを感じる可能性がある点は否めない。

ファンの間では、「コストを抑えるためではないか」「数年後に高価な有機ELモデルを投入する布石では?」といった憶測も飛び交っている。これらはあくまで推測の域を出ないが、ユーザーの有機ELに対する期待の高さを示しているとも言えるだろう。

Nintendo Switch 2の進化はディスプレイだけにとどまらない。内部ストレージは現行モデルの最大64GBから256GB(UFS規格)へと大幅に増量され、より高速なデータアクセスが期待される。さらに、microSDカードスロットは高速規格「microSD Express」に対応し、大容量化するゲームデータの読み込み速度向上にも貢献するだろう。

実際に、判明しているSwitch 2向けタイトルのダウンロードサイズは、「マリオカート ワールド」が23.4GB、「ドンキーコング バナンザ」が10.0GBなど、現行Switchタイトルと比較して増加傾向にある。ストレージ容量と速度の向上は、こうした次世代ゲームを快適に遊ぶ上で不可欠な要素となるだろう。

加えて、Wi-Fi 6への対応による通信速度の向上や、ドック接続時には最大4K/60fpsでの映像出力が可能になる点も、ゲーム体験全体の質を高める重要な進化点である。

Joy-Conにも改良が加えられ、本体への磁気接続方式や、マウスモード、大型化されたSL/SRボタンなどが採用されている。

Nintendo Switch 2が液晶ディスプレイを採用した背景には、HDR対応という明確な技術的目標と、進化したLCD技術への自信があった。有機ELの画質を知るユーザーにとっては一長一短ある選択かもしれないが、解像度、HDR、VRRといった機能向上は、ゲーム体験を新たなレベルへ引き上げる可能性を秘めている。ディスプレイ以外のスペック向上も含め、総合的な進化に期待したいところである。

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