202205091101422000マイクロディスプレイを開発する米Kopin Corporationが、軍事用途向けの新たな大型契約を複数獲得したことが明らかになりました。同社は米陸軍とのマイクロOLED技術共同研究に関する契約と、総額750万ドル(約11億円)規模となるパイロット用ヘルメットディスプレイの供給契約を締結。2025年に入ってからの軍事関連契約総額は1,350万ドル(約20億円)に達しています。

Kopin Corporationは米マサチューセッツ州に本社を置き、防衛や医療、企業、一般消費者向けにマイクロディスプレイと光学システムを提供しています。特に、超小型で高解像度を実現した軍事用途のヘルメットディスプレイ技術を得意としており、F-35戦闘機のパイロット向けヘルメットディスプレイを製造している企業です。






今回の契約の一つである米陸軍とのマイクロOLED技術の共同研究プロジェクトは、戦闘員が使用するXRヘッドアップディスプレイに適したマイクロOLED特性の明確化を目的としています。

研究では、XRを用いた透過型ディスプレイ用途における高輝度マイクロOLEDの性能評価を行い、将来の兵士向け視覚システム開発に役立つ指標を作成します。評価ポイントとしては、昼間の明るい環境から薄暗い場所まで、様々な条件下での視認性や省エネルギー性などが挙げられています。

もう一つの契約は、パイロットが使用するヘルメット用ARディスプレイ向けのマイクロディスプレイ供給契約です。契約先の詳細は明らかにされていませんが、同社は「米国防総省の主要請負企業であり、世界有数の航空宇宙・防衛関連サプライヤー」としています。

Kopinのマイクロディスプレイは、緊迫した状況下でパイロットが必要な情報を正確に取得できるよう設計されており、パイロットの状況認識能力の向上や航空機との円滑なコミュニケーションを支援。製造は米国内にあるKopinの施設で行われ、厳密な品質管理テストが実施されます。

KopinのCEOであるマイケル・マレー氏は締結に際し、「新規契約の獲得は、当社の戦略や技術力、製造能力が評価されている証拠です。当社のマイクロディスプレイ技術は軍事任務において重要な役割を担っています」とコメントしています。

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