
大口取引価格は売り手のパネルメーカーと、買い手のテレビメーカーが交渉で決める。有機ELパネルは四半期ごと、液晶は月ごとの価格が目安となる。
有機ELパネルの1〜3月期の価格は、流通量の多い55型品が前四半期比で4ドル(1%)安の1枚400ドル前後だった。3四半期連続で下落した。大型の65型品も前四半期比10ドル(2%)安の595ドル前後と、4四半期連続の値下がりで決着した。
価格下落の要因は最終製品であるテレビの販売不振だ。電子情報技術産業協会(JEITA)によると、国内では1〜3月の有機ELテレビの出荷台数が前年同期比で50%超減少した。有機ELテレビは液晶に比べコントラスト(明暗)比に優れるとされるが単価が高い。世界的に物価高による節約志向の高まりもあり、消費者が価格を重視する傾向が強まっている。
液晶パネルのバックライト部分に微細な発光ダイオード(LED)を敷き詰めた「ミニLEDテレビ」に市場を切り崩されている面もありそうだ。ミニLEDテレビは画質・価格帯とも有機ELと液晶の間に位置づけられる。
東京都内の家電量販店の担当者は「最近のミニLEDテレビの販売数は有機ELと同等かやや多いくらい」と話す。

一方、液晶パネルの3月の価格は、大型品の指標となるTFT55型オープンセル(バックライトがついていない半製品)が前月に比べ1ドル(1%)高い1枚129ドル前後だった。小型品の指標となるTFT32型オープンセルは前月に比べ0.5ドル(1%)高い37ドル前後で、いずれも3カ月連続で値上がりした。
液晶テレビは1〜3月にテレビの一大消費国である米国向けの出荷が増加した。トランプ米政権による追加関税の発動前に米国にテレビを出荷しようと、主要部材の液晶パネルを前倒しで調達するメーカーが多かった。
液晶パネルの4月の大口取引価格は前月から横ばいだった。米関税発動前に購買を増やした動きが一服したとみられる。
今後の世界のテレビの需給を左右するとみられるのが、米国の関税政策の影響だ。製品価格がどうなるかが、有機EL、液晶、ミニLEDテレビの需要の勢いに変化をもたらす可能性はある。
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