東レリサーチセンター(東京都千代田区)と産業技術総合研究所は、全固体電池の劣化メカニズムを解析し、固体電解質の化学構造変化が電極との剥離を引き起こしている可能性を明らかにした。硫化物固体電解質の硫黄の位置に酸素が入り込んだり、塩素が脱離することで劣化が進む。原因を絞り込めると対策しやすくなる。

レーザーラマン分光法や固体核磁気共鳴法で固体電解質の化学構造や分子構造、分子運動性などを評価した。充放電を繰り返すと正極活物質と固体電解質が剥離していく。






化学構造を分析すると硫化リンの硫黄が酸化物イオンで置換されていた。また硫化リンの周囲に存在する塩化物イオンが失われていた。これが剥離を引き起こしたとみられる。

さらに同様の変化が固体電解質の内部でも起きていた。電解質の粒界を通って進行したとみられる。結果としてリチウムイオンが動きにくくなり、内部抵抗が上がり、容量が減ったと考えられる。

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