7632TEA出光興産は、蛍光型青色材料を用いた有機EL素子分野において、積層型発光層素子の詳細解析を実施し、世界最高レベルの発光効率の実現と長寿命化を達成した。同技術は、有機ELディスプレーの省電力化と製品の長寿命化による環境負荷の低減に寄与する。

 また、この成果はディスプレー関連の世界最大の学会・Society for Information Displayが主催するシンポジウム「Display Week 2025」(米サンノゼ、開催期間=5月13~16日)において、有機EL技術部門の最優秀論文賞(Distinguished Paper Award)を受賞した。同社の積層型発光層素子の技術がDisplay Weekの最優秀論文賞を受賞するのは、2022年以来2回目。 








 積層型発光層素子とは、蛍光型素子の発光過程のうち、電荷の再結合とTTFを起こす領域を分離させた素子。機能を分離することにより発光ロスを抑え、発光効率の向上と長寿命化の両立が可能となる。

■40年にわたる研究

 同社は、約40年にわたり有機EL材料の研究を続けている。「Display Week 2022」で最優秀論文に選定。その後も、発光効率の向上と長寿命化を目指して開発を続け、単層発光層と比較して20%の消費電力削減を実現した。

 また、同技術は実効性の高い技術で、製品への採用も進んでいる。それが評価され、この4月に有機EL討論会の「第18回 業績賞」も受賞している。

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