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旭化成は27日、アクリル樹脂やその原料の「MMA」など4事業から撤退すると発表した。川崎製造所(川崎市)で手がける製品で、中国勢の増産などで市況が悪化していた。石油化学事業を縮小し、同製造所は水素向け素材などの製造拠点へ転換を目指す。

生産能力で国内2位のMMAと、アクリル樹脂、SBラテックス、シクロヘキシルメタクリレートの4製品で2026年3月〜27年9月までに生産を終了し、同年末までに販売も終える。26年3月期に構造改革費用約250億円を特別損失として計上する予定で、業績予想には織り込み済みだ。従業員190人は同製造所内などで配置転換する。






0027052025000000-5このほかアセトニトリルは川崎での生産をやめ、韓国子会社からの供給に切り替える。同製造所の石化事業では合成ゴム関連は継続する。

28年3月期を最終年度とする中期経営計画では、石化事業含むマテリアル領域において売上高の2割で構造転換する方針を示していた。5製品の25年3月期の売上高は346億円でいずれも黒字だったが、稼働率の低下や今後の競争環境を踏まえて撤退・縮小する。

石化事業を縮小する川崎製造所は、水素向け材料などに注力する拠点とする。24年末には水素を製造する水電解装置向けの膜と、食塩水を電解し塩素などを製造する食塩電解システム向け膜の両方を生産できる設備の新設を決めた。

兼用設備とすることで、需要の伸び方が見通しづらい水素の事業環境にも対応する考え。旭化成は水素関連事業を将来の成長けん引事業として育て、30年前後に売上高で1000億円規模を目指している。

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