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June 04, 2025

若手の意見が通る日亜化学、「LEDよりレーザーをやりたい」が認められた理由

Screenshot 2025-06-04 07.25.36日亜化学工業は過去30年で売上高を30倍にした会社だ。成長力と収益力の源泉は、付加価値の高いものづくりにある。その代表格は、「20世紀に実現は難しい」と言われた青色発光ダイオード(LED)。さらに、開発の難易度がLED以上に高い青色半導体レーザーも忘れてはならない。

 今でこそ大企業だが、光半導体を開発する前は地方の一企業と見なされていた。そうした企業がなぜ大手企業の向こうを張って、付加価値の高い製品を生み出し続けられるのか。その答えを記した書『技術者天国 日亜化学工業、知られざる開発経営』(日経BP)の中から、半導体レーザー開発物語を5回に分けて紹介する。第1回は開発が始まった意外な経緯についてである。









 日亜化学工業は、窒化ガリウム(GaN)系半導体レーザーでも世界トップを行く。レーザー発振に成功して以来、性能を向上させるとともに、様々な応用分野を開拓してきた。同社はどのように半導体レーザーの開発を進めてきたのか。その開発の軌跡をたどってみたい。

 1993年11月、日亜化学工業は青色発光ダイオード(LED)の量産化に踏み切ると発表した。まさかの偉業に業界中が驚いているのを横目に、同社は次の開発に向かって進んでいた。そのテーマは高輝度な緑色LEDの開発と決まっていた。光の三原色であるR(赤)G(緑)B(青)の各LEDを使ってディスプレー用光源を造ろうと考えていたからだ。

 当時、赤色LEDは高輝度のものが既に市販されていた。そして、高輝度な青色LEDは日亜化学工業自身が開発した。その結果、相対的に緑色LEDの輝度が低くなってしまった。そこで、高輝度な緑色LEDを開発することが同社の次の目標になったというわけである。

忘年会で開発を直訴
 ところが、この開発テーマに携わりたくないと公言する者がいた。入社3年目の若手技術者だった長濱慎一氏(現第二部門LD事業本部主席研究員、日亜研究所主席研究員。博士)だ。長濱氏は1993年末の忘年会において、大胆にも主任研究員に向かってこう言った。

「レーザーを開発したいので、やらせてください」

 主任研究員から駄目だと言われても食い下がり、長濱氏は何度も何度もしつこく半導体レーザー(レーザーダイオード)の開発をさせてほしいと訴え続けた。すると、最後は根負けした主任研究員から「じゃあ、お前、勝手にしろ」という言葉を引き出した。しめた、言質を取ったぞと思った長濱氏は、最後にこう駄目押しした。

「今、言いましたよね? では僕、来年からLEDはしませんよ。レーザーの開発しかやりませんから」

 日亜化学工業の半導体レーザーの開発は、こうして主任研究員を強引に押し切るところから始まった。




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return_to_forever at 07:25│Comments(0)L_LED | J_日本

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