
しかし、技術的な問題もあって量産化が遅れ、資金繰りがひっ迫。堀江社長と一部株主の間で経営体制などをめぐり意見が対立し、いったんは堀江氏が続投となったが筆頭株主はデジタルインフラ事業を展開するTRIPLE―1に代わった。実は、資金調達が完了すれば堀江氏も交代する契約だった。だが、資金調達がまとまった一方で代表が継続していたことや開発の遅れに関する信用不安も広がり、24年6月の取締役会で堀江氏は社長を解任。TRIPLE―1副社長だった大島麿礼氏が社長に就任した。
新たな一歩を踏み出す間もなく同年11月、今度はメーンバンクの関係会社が、APBの会社更生法の適用を申請した。メーンバンク側は運転資金を海外企業からの調達で確保することを想定していたが、海外企業の意向で調達が困難となり、申し立てから3週間で更生法の申し立てを取り下げる事態となった。
法的整理を免れたものの、APBの信用は失墜した。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が同社への支援停止を発表し、25年3月には県税・市税の滞納で福井県・越前市より企業立地促進補助金の交付決定が取り消され、交付金約5億円の返還命令を受ける事態となり、自己破産を申請した。
破産手続き開始決定後、保有する開発データや特許などの行く末が懸念されたが、堀江氏が全樹脂電池事業の再興を目指して24年10月に設立したクリティカルパスと、事業譲渡に向けた協議入りに基本合意したと公表された。他にも複数の候補がおり、事業再生の機会は残されている。
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