
ニコンはフレキシブルエレクトロニクス用に、印刷加工の技術を活用して電子デバイスを効率良く量産するロール・ツー・ロール(R2R)露光装置を開発した。フォトマスクを使わずに露光することで、試作期間の短縮やマスクコストの削減につながる。またフィルムは熱などの影響で収縮しやすい。そこで同露光装置は高精度の重ね合わせを搭載し、収縮したフィルムにも複雑なパターンを実現できるようにした。
フレキシブルエレクトロニクスはフィルムなどにトランジスタを形成し、折り曲げて使えるデバイスを製造する技術。その形状を生かし、さまざまな場所にデバイスを取り付けるなどの応用が検討される。一方、研究開発から量産に移行する際に多額の投資が必要で、事業化までのハードルが高い。
そこでニコンは新しく立ち上げるラボで、フレキシブルエレクトロニクスデバイスの試作を安価かつ短期で行えない弱点を解決する。同技術に対応した露光装置やエッチング装置など、製造に必要な装置をそろえ、同社が試作品の製造から量産プロセスの開発までを担う。現在レーザーなどを使って製造するデバイスに対し、半導体などで蓄積が多いリソグラフィー技術への置き換えなどを狙う。将来は露光装置の販売につなげる。
同社で露光装置を手がける精機事業の26年3月期連結業績予想は、売上高で前期比8・4%減の1850億円を計画する。半導体では主要顧客である米インテルへの販売不振、ディスプレーでは設備投資の減速といった逆風が吹く。そこで露光装置の技術を活用して、新規事業の創出を急ぐ。
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