
この記事では、世界的な市場調査会社MarketsandMarkets(マーケッツアンドマーケッツ)社の市場調査レポート「ディスプレイの世界市場:ディスプレイ技術別、解像度別、パネルサイズ別、パネルタイプ別、次元別、製品別、業界別、地域別 - 予測(~2029年)」から、ディスプレイ技術のトレンドとイノベーションについて掘り下げ、この影響力のある分野が今後数年でどのように展開していくのかを解説します。
ディスプレイ技術は、かつての大型ブラウン管(CRT)モニターから、現在市場を席巻しているスタイリッシュで鮮やかな有機EL(OLED)やLEDスクリーンへと、長い道のりを歩んできました。
そして現在では、サムスン(韓国)やLG(韓国)、シャープ(日本)、BOE(中国)といった企業が、4Kや8K解像度などの技術革新を主流としながら、最先端のディスプレイ開発をけん引しています。これらの進歩はすでにエンターテインメント、ゲームなどさまざまな業務用途で品質を向上させていますが、これらは今後登場するものの土台にすぎません。
現在の市場では、より高い解像度、エネルギー効率、多様性が求められています。米国では、鮮やかな色、高速リフレッシュレート、スマートデバイスとシームレスに連携できるディスプレイのニーズが高いです。一方、企業は大型のデジタルサイネージやインタラクティブスクリーンを活用して、顧客の関心を引きつけています。
しかし、ディスプレイ技術が進化すれば、こうした現在のニーズを超越していくでしょう。視覚インターフェースの在り方そのものを再定義するような、画期的なコンセプトが登場する見込みです。MarketsandMarkets社は、2024年の1,352億米ドル(約19兆円)だった世界のディスプレイ市場は、2029年までに1,737億米ドル(約25兆円)に達すると予測しています。
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Comment
元小型バックライト設計者さん、
コメントありがとうございます。
ご指摘の通り液晶や有機ELは、99.9%海外に持っていかれましたね。
当方も元小型バックライト設計者さんと同じように、その経緯を現場で見てきたものの一人として残念な気持ちが多々あります。
そうなった原因はいろいろあると思っていますが、ここで一つだけ指摘させてもらうと、このグローバル企業間競争を「戦争」として捉えて運営してきたか?どうかです、経営者のみならず戦略に携わっていた幹部社員全てです。
今残っている台・中・韓の液晶・有機EL企業は、まさに生き馬の目を抜くような経営を繰り広げて発展してきました。
自分の強み・弱み・相手の弱み・強みを良く分析してどのように勝ち抜くかを徹底して分析し戦略・戦術に落とし込んで進めていました。日本の人材取り込みもその一つですし政治の巻き込み方なども。
現場で見てきて、日本の企業はそういう戦い方は不得手だし国の仕組みとしても難しい、と実感しました。具体的にどういうこと? というのは、長くなりますのでまた別のところで示させていただきます。
最後に、液晶や有機ELで日本が完全に負けたか?という点ですが、当然勝っていないけど死んではいないと思っています。
液晶や有機ELの主要装置・設備や、材料、評価機器など多くの分野でまだらではありますが、重要な貢献を担っていますし、もっと言うとそれらの日本企業の貢献がなければこの事業は崩壊してしまうほど重要です。
平面ディスプレイという事業が立ち上がってまだまだ数十年、例えばユニクロなどが関わる衣料事業は何千年もの歴史が有るのでしょう。
数十年でもう死んだと判断するのは早計では?
まだまだ緒についたばかりの平面ディスプレイ、そのこれからの発展という観点では、未だに日本は主要なプレイヤーの一人であり、関連企業・研究者・エンジニアの活躍が待たれます。
わたしも「勝ってはいないが負けてもいない」だとは思います。一方でDXが凄まじい勢いで普及していくなか、そこに並走していけるのか、そして抜きん出ることができるのかは、石橋を叩いてx3壊れないことを確認する日本人の特性的には、とても難しいところだとは思います。とはいえ、悲観することでもないですし、ブラウン管がプラズマ、液晶、OLEDに変わったように、「凄いなおい!!」という技術が生まれてくることに期待しています。ちなみに、万博のTechWorld館(台湾)で展示されていた大型8kディスプレイは圧巻でした。
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