シャープは堺市の本社で定時株主総会を開催した。液晶ディスプレー事業の不振による経営悪化で2023年3月期から無配当が続き、株価も低迷。総会では経営状況の改善策に関する質問が相次いだ。沖津雅浩社長は「できるだけ早く復配したい。まずは28年3月期までの中期経営計画をやり切り、シャープの信頼を取り戻す」とした。

 シャープは経営再建に向けて、液晶ディスプレーやデバイス事業はアセットライト化に取り組み、家電を中心とするブランド事業に経営資源を集中する戦略を進める。ただ、ある株主が「成長戦略が抽象的、文学的だ」と指摘。沖津社長は具体的な戦略の内容をあらためて説明した。






 ディスプレー事業は亀山第1工場(三重県亀山市)や白山工場(石川県白山市)での車載向け、クロスリアリティー(XR)製品といったモバイル向けの生産に集中する方針。沖津社長は「車載向けは既に26年以降の注文がある」と明かし、「26年下期から生産が立ち上がり、28年3月期の(ディスプレー事業の営業損益の)黒字化を実現する」と意気込んだ。

 また、ブランド事業については「これまで抑制してきたテレビコマーシャルなどの投資も積極的に行い、ブランドのグローバル認知度向上に取り組む」(沖津社長)とした。

 総会では監査等委員の3人を含む取締役7人の選任、ストックオプションとしての新株予約権の発行で3議案を諮り、いずれも可決された。

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