
現在の半導体パッケージでは、主に有機材料(ABF:味の素ビルドアップフィルムなどが有名)で作られた基板が用いられている。しかし、AIチップのように膨大な数のトランジスタを詰め込み、複数のチップレット(小さなチップ部品)を高密度に統合するようになると、従来の有機基板では限界が見え始めていた。
ガラス基板は、この課題を解決するポテンシャルを秘めている。
優れた熱的・機械的安定性: 高温下でも歪みが少なく、より大きく、より平坦な基板を実現できる。これにより、大規模なチップレットを寸分の狂いなく配置することが可能になる。
高い信号完全性: 電気信号の損失が少なく、高速なデータ伝送が可能。AIチップやデータセンター向けプロセッサの性能向上に直結する。
設計の自由度: ガラスに微細な穴(TGV: Through-Glass Via)を正確に開ける技術により、チップ間の配線を短くし、電力効率と性能を向上させることができる。
つまり、ガラス基板は、より強力で効率的なAI半導体を製造するための土台そのものなのだ。Intel自身も約10年間にわたりこの技術の研究開発を進め、2023年9月には業界初のガラス基板技術を発表し、2030年までの導入を目指すとしていた。まさに、未来の技術競争における最重要拠点のひとつと位置づけていた。
こうした状況下で、ガラス基板のような戦略的だが非中核的な技術は、インテル自社開発の対象から外され、外部調達へと切り替えることで、開発リスクの軽減とリソースの最適化を図るという判断に至ったのである。
特に注目すべきは、JNTCである。同社は2025年5月に韓国初となるガラス基板専用工場を完成させ、同年8月からの量産開始を宣言。すでに16社のグローバル半導体企業と秘密保持契約(NDA)を締結しているという。同社のJang Sang-wook会長は、「数十年にわたり蓄積してきたガラスのエッチングやめっき技術が、TGVガラス基板技術の迅速な開発を可能にした」と、その技術的優位性に自信を見せる。
JNTCが掲げる成長戦略は驚異的だ。2025年に200億ウォン(約23億円)を見込む売上を、2028年には50倍の1兆ウォン(約1150億円)にまで拡大させるという。この野心的な目標を支えるのが、ベトナムに建設予定の、韓国工場の3倍の生産能力を持つ新工場だ。
また、Samsung Electro-Mechanics (SEMCO)も、パイロットラインでの生産を本格化させ、2025年末までには米国の主要顧客へのサンプル供給を目指している。SK hynixとApplied Materialsの合弁会社であるAbsolicsも、この分野での開発を先行させており、市場はまさに韓国勢の独壇場となりつつある。
Intelが外部調達に踏み切ることで得られるメリットは大きい。
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