July 21, 2025
テレビ用液晶パネル価格、9カ月ぶり下落 関税駆け込み出荷の反動
テレビに使う液晶パネルの価格が9カ月ぶりに下落した。指標品の6月の大口取引価格は前月に比べ2%ほど安い。トランプ米政権の関税引き上げを控えた駆け込み出荷の反動が出た。パネルメーカーは工場の稼働率を大幅に引き下げて供給を絞っている。だがそれ以上に需要が鈍く、価格下落は続くとの見方もある。液晶パネルの大口取引価格は売り手となるアジアのパネルメーカーと、買い手となる国内外のテレビメーカーが月ごとに決める。
6月は大型品の指標となるTFT55型オープンセル(バックライトがついていない半製品)が前月に比べ2ドル(2%)安い1枚127ドル前後だった。小型品で指標となるTFT32型オープンセルは1ドル(3%)安い36ドル前後で決着した。いずれも前月比で9カ月ぶりに下落した。
トランプ米政権による関税の引き上げに備えて米国向けにテレビを駆け込みで出荷するため、パネルを急ぎ調達する動きが年明け以降続いていた。その動きが足元で息切れし、値下がりに転じた。
米国はテレビの出荷台数で世界シェアの約25%を占める一大市場だ。調査会社カウンターポイントリサーチによると、1〜3月期の米国向けの出荷台数は1077万台と前年同期比で10%増加した。
テレビの主要部品であるパネルは例年、年末商戦後の1〜3月期に出荷が底入れするが、今年は在庫確保を急ぐ動きが強まり「出荷枚数の多さは異例だった」(関係者)。3月には指標品価格がパリ五輪・パラリンピック観戦向けの需要が膨らんだ24年7月以来、8カ月ぶりの高値となった。
駆け込み需要の一巡で需給バランスが反転したことを受け、パネルメーカーは工場稼働率を引き下げて供給を絞った。世界のテレビ向けパネル工場の稼働率は4月に86%だったのが5月には80%まで低下した。65型と75型のテレビパネルを生産する「第10.5世代」の工場に限れば5月の稼働率は77%と4月(96%)から大幅に下がった。5月のパネル価格が4月から横ばいにとどまったのは生産調整が奏功したためだ。
ただ、6月には工場全体の稼働率が83%、10.5世代向けは82%まで戻った。生産の回復に加え需要も減退して価格の下押し圧力となった。
トランプ政権の関税政策については不透明感が残るが、中国製のパネルを使ったテレビやスマートフォンなどの最終製品の店頭価格については10%程度の上昇が避けられず、パネル需要の見通しに悪影響を及ぼすとの見方がある。
カウンターポイントリサーチは25年の米国向けのテレビ出荷台数が24年比で2.5%減の4772万台になると見込む。同社の田村喜男日本代表は「7月以降もパネル価格の下落は続きそうだ」と予測する。
電子情報技術産業協会(JEITA)の調査によると、日本国内については1〜5月の薄型テレビの出荷台数は171万8000台と前年同期比で1.9%減少した。中でも落ち込みが大きいのは汎用品を含む50〜59型で、5.8%減った。消費者のテレビ離れが進む中、需要が大きく上向く材料に乏しいようだ。
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