September 08, 2025
世界初、肉眼で見える「時間結晶」を作り出す事に成功:SFが現実になる日は近いのか?
もし、電気も電池もないのに、その針が永遠に時を刻み続ける時計があったとしたら、あなたはどう思うだろうか?
SFの世界か、あるいは物理学の根幹を揺るがす「永久機関」の発明かと色めき立つかもしれない。しかし、そんな夢物語が、私たちの日常にありふれた素材を用いて、現実のものとなった。
コロラド大学ボルダー校の研究チームが、世界で初めて「肉眼で観察可能な時間結晶」の創出に成功したのだ。
この発見は、物理学の新たな地平を切り拓くだけでなく、偽造防止から次世代のデータストレージまで、私たちの生活を一変させる可能性を秘めている。
SFの世界か、あるいは物理学の根幹を揺るがす「永久機関」の発明かと色めき立つかもしれない。しかし、そんな夢物語が、私たちの日常にありふれた素材を用いて、現実のものとなった。
コロラド大学ボルダー校の研究チームが、世界で初めて「肉眼で観察可能な時間結晶」の創出に成功したのだ。
この発見は、物理学の新たな地平を切り拓くだけでなく、偽造防止から次世代のデータストレージまで、私たちの生活を一変させる可能性を秘めている。
そもそも「時間結晶(Time Crystal)」とは何だろうか。この奇妙で魅力的な概念は、2012年にノーベル物理学賞受賞者であるFrank Wilczek博士によって提唱された。
私たちの身の回りにあるダイヤモンドや食塩のような通常の「結晶」を思い浮かべてほしい。これらは原子が空間的に規則正しく、周期的な構造で並んでいる。物理学の言葉で言えば、これは「空間並進対称性が自発的に破れている」状態だ。つまり、どこを見ても同じという均一な空間(対称性)が、原子が特定の位置に固定されることで破られ、結晶構造という秩序が生まれている。
Wilczek博士は、この考えを「時間」に拡張した。もし、空間ではなく時間において対称性が自発的に破れる物質が存在するならば、それは外部から周期的な力を加えられずとも、最低エネルギー状態でありながら永遠に周期的な運動を繰り返すのではないか? これが「時間結晶」の基本アイデアである。
それは、まるで振り子が摩擦なく永遠に揺れ続け、時計の針がエネルギー供給なしに回り続けるようなものだ。ただし、これはエネルギー保存の法則を破る「永久機関」とは根本的に異なる。時間結晶は閉じた系ではなく、常に外部環境とエネルギーをやり取りする開かれた系(非平衡系)で実現される。つまり、システム全体としてはエネルギーが供給され続ける中で、物質が自発的に安定した周期的運動状態に落ち着くのである。
これまで、時間結晶の存在は量子コンピュータ上の原子スピンのネットワークなど、極めて特殊で微視的な世界でのみ確認されてきた。我々が直接その動きを見ることは、到底不可能だった。しかし、今回、その常識が覆されたのである。
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