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TOPPANは、電源のオン/オフで透明と不透明を切り替える液晶調光フィルムのうち、電源オフ時に黒色になる車載向け製品の量産を滋賀工場(滋賀県東近江市)で始めた。

自動運転技術の発達に伴い、自動車の居住性向上が求められる中、同製品をルーフや窓ガラスに用いることでプライバシー保護と居心地の良さを両立できる。主に日本や欧州、中国の高級車向けに訴求。2030年に年間30万台以上の採用を目指す。


量産を開始したのは液晶調光フィルム「LC MAGIC(エルシーマジック)」シリーズの「ノーマルブラック」。投資額は公表していない。電源オフ時に白濁する「ノーマルホワイト」も含めて、車載向け調光フィルムの世界市場で30年に35%のシェア獲得を目標にする。

ノーマルブラックは電源オフ時、液晶の向きがバラバラで光が拡散し不透明になる。電源をオンにすると液晶が同じ方向を向くため、光が透過して透明になる。透明時の全光線透過率は86%、不透明時の濁度は98%で高い透過性とプライバシー確保を両立する。不透明時には映像の投影も可能。マイナス20度―プラス90度Cまで調光機能を維持し、応答速度もほぼ変わらない。

欧州・日本市場の厳しい信頼性基準をクリアした。顧客の要望に応じてロール、シート、モジュール全ての形態で納入できる。航続距離を縮める原因となる車両重量の増加を抑制できる点や、自由な形状に加工可能でデザイン性が高く開放的な居住空間を演出できる点から、小型スポーツ多目的車(SUV)や電気自動車(EV)での引き合いが強いという。

TOPPANエレクトロニクス事業本部ディスプレイ事業部営業本部の武田憲太本部長は「居住空間という自動車の新しい価値を提案したい」と拡販への期待を語る。

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