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かつて世界を席巻した日本の家電企業の多くが、事業改革や買収などによってビジネスモデルを転換するなか、パナソニックだけが後れをとっている。英経済紙「フィナンシャル・タイムズ」が、その原因を業界関係者などに取材。変革の明確なビジョンを持たず、現状維持に終始している企業体質に警鐘を鳴らす。

日本経済の黄金期を支えた家電企業は、1980年代には他国の競合を脅かす存在だった。

いまではその多くが、事業の見直しか身売りの道をたどったが、例外が一社だけある。パナソニックホールディングス(HD)だ。

かつてオリンピックのスポンサー企業だった同社製のテレビやビデオデッキ、電子レンジは、世界中の家庭に並んでいた。そのパナソニックはいま、同業他社が果たした再興を追随できずにいる。



競合の日立製作所、ソニー、NECは痛みを伴う抜本的な改革を断行し、その結果、各社の時価総額は過去10年で跳ね上がった。

東芝は2023年に日本産業パートナーズ(JIP)による総額1兆9987億円の公開買い付け(TOB)と再建案を受け入れ、買収された。一方パナソニックはこの10年間、時価総額3兆7500億円前後で伸び悩んでいる。

テスラ社のEV(電気自動車)用電池からヘアドライヤーまで、ありとあらゆる電化製品を製造する同社は5月、1万人の人員削減や事業ポートフォリオの見直しといった再建計画を発表した。だが投資家は、創業107年の歴史を持つ老舗企業の収益性と売り上げを向上させる一貫した戦略を求めている。

ゴールドマン・サックス証券のアナリスト原田亮は、同社の再建計画には投資家が求める成長ストーリーが欠けていると指摘する。

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