October 24, 2025
フィルム型太陽電池の性能、万博会場前で実証…積水ソーラーフィルム・上脇太社長
大阪・関西万博の会場前のバスターミナルの屋根に、薄くて軽く曲げられるフィルム型の「ペロブスカイト太陽電池」を取り付けた。会期中、発電した電気を照明に使ったが、無事に実証を終えることができた。この技術が研究室レベルの話ではなく、社会実装が近いことを多くの人に知ってもらえたのではないか。 企業や自治体からは「取り付けるとしたら、いつ頃できるか」という問い合わせが多く、関心の高さを実感した。問い合わせは海外からもあり、オランダからは「いずれぜひ」という声ももらった。「さすが万博だ」と感じた。
関心の源となったのは、現在、主流のシリコン太陽電池だと設置するのが難しい場所にも、取り付けられる可能性があることだろう。シリコンはパネル式で重い。例えば、学校の体育館の屋根は耐荷重性が低く、なかなか設置できない。だが、我々のペロブスカイトなら取り付けられる。壁面も可能性がある。
日本は土地の確保や景観の問題から、シリコンのメガソーラーを増やすのが難しくなってきている。一方、気候変動対策や脱炭素は待ったなしの状況で、再生可能エネルギーは増やさなければならない。力を発揮できるのは我々のフィルム型だろう。
電力の「地産地消」もキーワードだ。屋根や壁に貼れるので、電力の需要が多い都市部で発電できる。電線網が十分に整備されていない新興国でも活用しやすい。課題は発電効率と耐久性だ。現状、発電効率は10%程度だが、シリコン並みの20%に引き上げる必要がある。耐久性も10年ではダメで、シリコンと同等の20年を目指していく。
ペロブスカイトには(シリコンと組み合わせた)「タンデム型」もあり、中国勢が先行している。だが、フィルム型は技術的な難易度が一番高く、日本が勝っている。
今年1月、積水化学工業は量産化に向けて、子会社の「積水ソーラーフィルム」を設立した。有力なパートナーがいれば出資を受け入れ、普及を「オールジャパン」で進めていく狙いだ。
早ければ年度内に事業としてスタートする。そして、2027年前半には、取得を予定するシャープの堺工場の一部で、年間100メガ・ワット分の量産を目指したい。一定の量を供給できる体制が整うのは、社会実装に向けた第一歩となる。(聞き手 田畑清二)
かみわき・ふとし 1983年、東京工業大工学部を卒業し、積水化学工業に入社。常務、専務を歴任し、今年1月の設立に合わせて積水ソーラーフィルムの社長に就任した。京都府出身。65歳。
※記事の出典元はツイッターで確認できます⇒コチラ
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