
ITとエレクトロニクスの国際展示会「CEATEC(シーテック) 2025」が、10月14日からの4日間の会期で開催された。810の企業・団体が出展したなか、生活に密着した注目すべき3つの新技術を紹介する。
■ 皮脂RNAを解析し、より自分の肌にあったコスメや化粧品が選べる
RNA共創コンソーシアムという聞き慣れない名前のブースは、花王が開発した「皮脂RNAモニタリング技術」をもとに、より満足度の高い商品やサービスの提供を実現する仕組みの創出をめざす取り組みだ。
まず、広く知られる遺伝子情報を伝えるDNA(デオキシリボ核酸)は、基本は生まれた時から一生変わらないもの。このDNAを一部コピーしたものがRNAなのだが、こちらは生活習慣や環境に応じて、その時々に必要な情報が反映される。そのためRNAを調べると、その人の習慣などに応じたスキンケアやヘルスケアが分かる、手がかりになるという。例えば、DNAが全く同じ一卵性双生児……双子でも、生活習慣が異なる場合には、肌などの外見の差が広がっていく。

同コンソーシアムのメンバー企業である花王の担当者によれば、従来、RNAを調べるには、採血したり皮膚の一部を切り取って分析する必要があった。だが近年、同社は顔の皮脂の中にRNAが存在することを発見。油取りフィルムで皮脂を拭うことで、RNA解析が可能になったという。
以前よりも格段に、RNA解析が容易になったことで、多くの人からデータの収集が可能になった。これらのデータを分析した結果、大きく「C1(クラスター1)」と「C2(クラスター2)」の2種の肌タイプに分類できることが分かったという。この肌タイプの違いにより、スキンケアやヘルスケア、相性の良いサプリなど、摂るべきものが異なる可能性があると考えられるという。
また、C1とC2のどちらなのかを、スマートフォンでより容易に調べられる、分類に特化した技術も開発。既に@cosme(アットコスメ)を運営するアイスタイルのアプリに、導入されているという。
そして、自身がC1なのかC2なのかが分かれば、より自身の肌と相性の良い化粧品を選べるのでは? と、期待されている。同ブースには、アイスタイルが調査した既存の化粧品を展示。C1の人たちから口コミ評価の高かったものと、C2の人たちから高評価を得たものとが、それぞれ並べられていた。これにより、「私の肌はC1だから、こっちの化粧品を選ぶ」など、より自身にあった化粧品を選べるようになるという。
もちろん現段階では明確に「ここからはC1」などと決まっているわけではなく、C1とC2の間は「どちらかといえばC1」あるいは「どちらかといえばC2」といったように、グラデーションになっている。また「C1向け化粧品」と言っても、ユーザーの主観的な評価をもとにしたものであり、遺伝子情報レベルで根拠を示しているわけではない。
それでも、RNA分析を活用し、より客観性を高めた商品選びが可能になるため、安心感や納得感の向上につながりそう。RNA共創コンソーシアムには、花王やアイスタイルのほか、キリンやコーセー、マツキヨココカラ&カンパニーなども参画している。今後、どのような形で「皮脂RNAモニタリング技術」が社会実装されていくのか楽しみだ。

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