December 01, 2025
テレビ用液晶パネル、2年3カ月ぶりの安値、増産で需給緩和

液晶テレビの主要部材に使うパネルの価格が2年3カ月ぶりの安値をつけた。10月の指標品の大口取引価格は前月比で2%下がった。需要が停滞する中、パネルメーカーが増産に動き需給が緩んだ。メーカーは採算の確保しやすい、より大型のテレビ向けの生産にシフトし工場の稼働率を維持している。
液晶パネルの大口取引価格は、売り手となるアジアのパネルメーカーと、買い手となる国内外のテレビメーカーが月ごとに決める。
10月は大型品の指標となるTFT55型オープンセル(バックライトがついていない半製品)が、前月に比べ2ドル(2%)安い1枚120ドル前後で決着した。2年3カ月ぶりの安値だ。小型品で指標となるTFT32型オープンセルは1ドル(3%)安い33ドル前後で1年10カ月ぶりの安値だ。ともに下落は3カ月ぶり。

パネルメーカーが増産しており、中国大手の一角は工場をフル稼働にしているとみられる。韓国の調査会社のカウンターポイントリサーチによると、世界のパネルメーカーの8〜9月のテレビ向け液晶パネルの工場稼働率は、7月と比べ3ポイント高い85%に引き上げられた。
10月の稼働率は83%に低下したものの、中国の大手パネルメーカーが国慶節(建国記念日)の長期休暇で初旬に生産調整を実施した影響を除けば高水準で推移したとみられる。需給の緩和で11月も「液晶パネルの価格は下落しそうだ」(カウンターポイントリサーチの田村喜男日本代表)との見方が多い。
テレビメーカーはトランプ米政権下でテレビにかかる輸入関税が上がる前に生産・出荷しようと、今春ごろまで駆け込みでパネルの調達を進めた。前倒し購入が一巡した後に大口取引価格は7月まで下落。パネルメーカーは工場の稼働率を引き下げ需給を引き締めることで対応した経緯がある。在庫調整の進行を受け、その後増産に転じた。
国内の薄型テレビの出荷台数は2021年以降、減少傾向だ。電子情報技術産業協会(JEITA)によると、25年1〜10月の薄型テレビの国内出荷台数は前年同期比3%減の344万1000台だった。ヨドバシカメラは10〜11月の液晶テレビの売れ行きについて、32〜55型は前年同期の80%程度だと明かす。
ヨドバシカメラでは「テレビが生活必需品でなくなり、趣味嗜好品としての性格が強くなっている」と説明。海信集団(ハイセンス)やTCLなど中国のテレビメーカーの台頭で液晶テレビの競争が激しくなっていることもあり価格も下落している。
パネルメーカーは稼働率を上げるため、85型や100型など、利幅の取れるより大型のパネルの生産を加速している。需要面でも日本国内では「主に中高年齢層は、大画面や高画質にこだわりを持っている」(ヨドバシカメラ)という。ビックカメラによると、例年11月はブラックフライデー、12月はボーナス時期で、年末にかけてテレビの売り上げが増加する時期だという。大型テレビの売れ行きが今後のパネルの市況を下支えしそうだ。
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