December 23, 2025
ニデックが監査法人にかけ続けたただならぬプレッシャー、永守氏は不適切会計の調査の際にも費用を「半分もってもらう交渉をすること」と指示
2025年9月、ニデックは提出を延期していた有価証券報告書を関東財務局に提出した。しかし、ニデックの監査人であるPwC Japan有限責任監査法人(以下、PwCジャパン)はこの有報に対して「意見不表明」とした。「監査のための十分な証拠を入手できず、未発見の虚偽表示があれば財務諸表全体に及ぼす影響が重要かつ広範となる可能性がある」からだという。
PwCジャパンは、PwC京都監査法人(以下、PwC京都)とPwCあらた有限責任監査法人が23年12月に合併して生まれた監査法人である。日本電産時代からその会計処理にお墨付きを与え続けてきたのはPwC京都だ。「不適切な会計処理」が明るみに出たニデックで、これまでの会計監査は適切に行われていたのだろうか。
■「意見不表明は妥当だと思う」
日本公認会計士協会が12月9日に開いた活動報告会見。PwCジャパンの「意見不表明」を受け、いつになく注目を浴びる会見となった。この場で協会の南成人会長は「意見不表明は妥当だと思う」と述べ、PwCジャパンの判断を評価した。一方、PwC京都時代を含む過去の監査の妥当性については「調査しているか、調査するかを含めて公表しない」(鈴木真紀江常務理事)という。
PwC京都は、公認会計士の宮村久治氏が京都で開いた個人事務所にルーツを持ち、京セラや任天堂など京都の名だたる企業をクライアントにしてきた。
23年12月にPwCあらたと合併してPwCジャパンとなるまで、PwC京都にとってニデック(旧日本電産)はKDDIに続く大口クライアントだった。
23年度の有価証券報告書によると、ニデックが支払った監査報酬はグループ各社分と合わせて6億1300万円に上る。23年度までの監査意見は常に「適正」だったが、監査の実態について日本電産の元幹部がこう明かす。
「PwC京都は会社側に『この計上の仕方はおかしい』と何度となく指摘してきたが、永守(重信・現名誉会長)さんは『誰のおかげで飯を食っているのか』というようなことを言ってしまう。こうなると監査法人は萎縮して、物が言いづらくなってしまう」
監査法人にプレッシャーをかける永守氏の姿勢を端的に示す内部文書が手元にある。
「京都監査法人に半分もってもらう交渉をすること」
22年6月に日本電産社内で起案された稟議書。紙面には永守氏の直筆でこう記されている。22年3月、日本電産子会社の旧エンブラコ・ブラジル(現ニデックグローバル・アプライアンス・コンプレッサー・ブラジル)で不適切会計疑惑が内部通報により発覚した際のことだ。
■調査費用の負担を要求
その際、PwC京都が通報内容を検討して日本電産と協議した結果、「(エンブラコは)不正による重要な虚偽表示を示唆する状況であり、21年度の総連結財務諸表の信頼性に問題なしという監査意見を表明するためには、第三者によるメールのフォレンジック調査による検証が必要」(稟議書の記述)とされたのだ。
これを受け、エンブラコの幹部ら10人に対するフォレンジック調査が実施されることになり、その費用5100万円余りを支出するための決裁を永守氏に求めた。コストカットにやかましい日本電産らしく、調査会社の見積額から15%余りも値引きさせたと強調された文書に、永守氏が大書したのが前出の直筆の指示である。
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