March 18, 2026
「究極の半導体」ダイヤモンド半導体、世界初の実用化へ 佐賀大が製造開始
佐賀大発のスタートアップ(新興企業)として半導体の研究・開発に取り組む「ダイヤモンドセミコンダクター」(佐賀市)が、既存の半導体よりも耐久性などに優れることから「究極の半導体」として注目される「ダイヤモンド半導体」の製造を始めた。国内外で研究が加速する中、実用化に向けた完成品の製造は世界でも初めて。この夏にも、導入を目指す大手メーカーなどに販売できるよう準備を進めていく。
ダイヤモンド半導体は、基板に人工のダイヤモンドを使用することから、現在主流のシリコン製と比べて熱伝導率が高く、高温や高電圧、高放射線量など過酷な環境下でも優れた耐性を持つ。
2030年代に導入が見込まれる第6世代(6G)の移動通信システムや、電気自動車(EV)などに必要となる制御用の「パワー半導体」として、今も真空管が使われている通信衛星に組み込む半導体としてなど、幅広い需要が見込まれている。
佐賀大では、理工学部の嘉数誠教授(半導体工学)のチームが15年ほど前から研究を始め、宇宙航空研究開発機構(JAXA)などとも連携を深めてきた。
昨年2月には、ダイヤモンド半導体の製造販売を目的に、嘉数教授が最高技術責任者(CTO)を務めるスタートアップを設立。世界最高レベルとなる120ギガヘルツの出力を達成したほか、電気回路として組み上げて最終製品に仕上げる独自の技術も開発した。
今年2月末からは自社工場での製造を始めており、自社製品への導入を検討する大手電機メーカーや宇宙関連の研究機関なども大きな関心を寄せる。嘉数教授は「ダイヤモンドは半導体の原料としてのポテンシャルが高い。成果を学内に閉じ込めず、一日も早く社会で使ってもらえるよう『社会実装』の準備を進めたい」と期待を語る。
ダイヤモンド半導体を巡っては近年、佐賀大のほかにも北海道大や早稲田大発のスタートアップも創業。互いに競い合いながら技術立国日本の復権を目指し、研究を進めている。
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