May 19, 2026
ゲームの残像感を減らす新技術「G-SYNC Pulsar」の実力は?
NVIDIA独自の残像感低減技術「G-SYNC Pulsar」に対応するゲーミングディスプレイ「ROG Strix Pulsar XG27AQNGV」(以下,XG27AQNGV)が,ASUSTeK Computer(以下,ASUS)から登場した。そもそも,NVIDIAがG-SYNC関連技術としてG-SYNC Pulsarを発表したのは,2年前のCES 2024でのことだ(関連記事)。
ただ,当時は技術概要の発表と実動デモ機の公開にとどまり,量産ディスプレイの発表はなかった。
それが2026年1月のCES 2026で,以下の4製品が発表となったわけだ。北米では同月に販売も始まり,少し遅れて日本でも,ASUSから4月17日に発売となっている。
G-SYNCはもともと,可変フレームレートの映像を美しく表示させる技術(=ディスプレイ同期技術)として登場した。しかし,この種の技術の主流は,今では後から登場した類似の技術に取って代わられている。
2026年現在,「Adaptive-Sync」「FreeSync」「VRR」「G-SYNC Compatible Monitor」は,可変フレームレートの実現方法がまったく同じだ。
一方,2024年に発表されたG-SYNC Pulsarは,NVIDIAが新たに「映像の残像低減技術」へ切り込んだものだ。しかも,液晶パネルに特化した技術でもある。
G-SYNC Pulsarが採用した残像低減技術は,古くから知られている黒挿入技術をベースとしている。
液晶パネルに限らず有機ELパネルでも同様だが,映像を常に発光状態で表示する「ホールド表示」方式を採用している。この方式であるかぎり,人間は動体の動きに残像を感じてしまう。
動体表現において,動体がごくわずかでも離れた場所に瞬間移動すると,直前まで表示されていた移動前の姿が視細胞に残るので,移動前と移動後の動体を二重に知覚してしまうためだ。
これが俗に言う「ホールドボケ」(Hold Blur)である。
そこで,移動前の動体が視細胞に与えた刺激をリセットするために,全画面を黒表示にする方法が編み出された。液晶パネルの場合は,バックライトを消すのだ。この処理によって,残像感はかなり減る。これが黒挿入技術の基本だ。
ただし,黒挿入だけでは不十分である。液晶パネルでも有機ELパネルでも,映像パネルへの映像データ描き込みは,ブラウン管時代と同じく画面の上から下に向かって,順次走査的に行われているためだ。
液晶パネルの場合,次に表示すべき映像データが画面上部から下部へと書き込まれても,書き込まれた瞬間に目的の画素状態へ遷移するわけではない。液晶分子の応答速度に相当する,数ms(ミリ秒)の時間をかけて遷移するためだ。
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