
人口の急増と技術の進歩に伴い、近代社会は膨大な量のエネルギーを消費するようになった。例えば、建物のエネルギー消費の約40%は、暖房、換気、エアコンによるものだ。このような膨大なエネルギー消費は環境汚染や資源枯渇を引き起こす要因のひとつであり、省エネ技術の導入は喫緊の課題だ。これに対処するため、光学特性を動的に制御する「スマートウィンドウ」が注目を集めている。
スマートウィンドウに使われている素材はさまざまなタイプがあり、どれも一長一短がある。例えば、サーモクロミック(熱変色性)ウィンドウは、赤外線の制御に優れているものの、可視光の制御は困難だ。また、液晶を使ったものは印加する電圧で可視光を調節できるが、構造上前方散乱が生じるため赤外線の制御には適していない。
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