M_材料
12
Feb
February 12, 2025 19:21
【更新】[連載:液晶の歩んできた道-14] 無アルカリガラス量産化、フロート法・オーバーフロー法(フュージョン法)並び立つ
----------- 【更新: 2025年2月12日追加】-------------
本記事は2013年4月に発表したのですが、調べてみるとコーニング(米国)がフュージョン法の工程が分かるYoutubeを2023年に発表していることがわかりました。
とてもわかり易く理解の助けになると思いますので、ここに追加の上、記事を更新します。
2013年当時は、ガラスメーカーがこのような企業秘密ともなり得る情報を公開するのは避けていましたが、近年は方針転換して自分たちの強み・技術力を訴求するほうに価値を見出しているのかもしれません。
(もちろん時間経過・事業発展とともに、もはやこのガラス製法が企業秘密では無くなっているのかもしれませんが....)
日本電気硝子(NEG)も液晶用ガラスについては同様の製法を採用しています。
一方旭硝子(AGC)は、液晶用ガラスについてフロート法を採用しています。
本記事は2013年4月に発表したのですが、調べてみるとコーニング(米国)がフュージョン法の工程が分かるYoutubeを2023年に発表していることがわかりました。
とてもわかり易く理解の助けになると思いますので、ここに追加の上、記事を更新します。
2013年当時は、ガラスメーカーがこのような企業秘密ともなり得る情報を公開するのは避けていましたが、近年は方針転換して自分たちの強み・技術力を訴求するほうに価値を見出しているのかもしれません。
(もちろん時間経過・事業発展とともに、もはやこのガラス製法が企業秘密では無くなっているのかもしれませんが....)
日本電気硝子(NEG)も液晶用ガラスについては同様の製法を採用しています。
一方旭硝子(AGC)は、液晶用ガラスについてフロート法を採用しています。
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21
Jan

光学活性な液晶を反応環境とし、らせん方向のそろった高分子のリビング重合に成功しました。本方法では、光学不活性なモノマーが、液晶の不斉(鏡像異性)構造を転写しながら生長し、光学活性を持つ高分子が得られます。このような高分子合成は、不斉化学や高分子化学の分野で初めての成果です。筑波大学と高エネルギー加速器研究機構(KEK)は,光学活性な液晶を反応環境とし,らせん方向のそろった高分子のリビング重合に成功した。
DNAの二重らせん構造など,1950年代始めにらせん構造を持つ高分子が相次いで発見されて以来,人工的ならせん高分子合成の研究が高分子化学の分野で活発に行なわれてきた。らせん高分子を合成するためには,光学活性な触媒を用いたり,光学活性な置換基をモノマーに導入したりする方法がある。
研究グループはこれまでに,らせん構造を持つコレステリック液晶中で導電性高分子を合成するなど,電気化学的に光学回転角や円偏光二色性を制御できる光学活性材料を開発してきた。しかしながら,液晶中で,開始反応と生長反応のみからなり分子鎖長が精密に統制されたリビング重合を行なうことはできなかった。
研究グループは,らせん構造を持つことで知られるポリイソシアニドを,コレステリック液晶中でキラルではないニッケル触媒を用いて,リビング重合で合成することに成功した。反応溶媒の液晶は,攪拌や昇温,モノマーや触媒の濃度によって,らせん構造が壊れてしまう。この反応では,それらを克服するための最適条件を設定することで,リビング重合を可能とした。
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8
Jan
2025年は化学業界がさらに変革に大きく一歩を踏み出す年になりそうだ。米中のデカップリング(分断)や中国の供給過剰、脱炭素対応などの課題に対し、化学各社は事業構造の改革や新たな連携の姿などを示し出してきた。
関わる産業の裾野が広い化学業界だけに多彩な技術力などが強みであり、持ちうる経営資源をフル活用して新たな付加価値をいかに紡ぎ出すのか。化学大手3社の社長に展望や戦略を聞いた。
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関わる産業の裾野が広い化学業界だけに多彩な技術力などが強みであり、持ちうる経営資源をフル活用して新たな付加価値をいかに紡ぎ出すのか。化学大手3社の社長に展望や戦略を聞いた。
―35年度に向けた長期ビジョンと、5カ年の新中期経営計画を策定しました。
「作って良かったとあらためて思った。(ビジョンや新中計を)作っていく中で本質的な問題点がより鮮明に分かった。キーワードは、やはり『つなぐ』だ。当社はさまざまな良いモノを持っているが、うまくつなげることができていなかった。つなぐ仕組みが大事だ。それぞれの部署につながるための肝になる組織を作るなど、できるだけ早く社内にアナウンスして4月から回していきたい。会社としての必勝パターンのプロセスとして確立できれば、変われる」
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19
Dec

サトーセンは、大阪市を拠点にプリント基板を手掛けるメーカーだ。もとはリジット基板を中心に製造していたが、ウェアラブルデバイスへの注目が高まったことから、2016年に体の動きに合わせて伸縮するストレッチャブル基板の開発に着手したという。
開発当初の製品は、シリコーン樹脂やポリウレタンの柔らかいシート上に銀(Ag)のペーストで回路を形成したものだった。これには、使用を繰り返すうちに抵抗値の変化が増大する、回路にひびが入り導電性が損なわれるといった課題があった。
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17
Dec

九州大学は2024年12月3日、産業技術総合研究所との共同研究で、液晶の3次元秩序構造の形成メカニズムを解明したと発表した。連続体シミュレーションと、ML(機械学習)に基づく局所的な秩序構造の判定を組み合わせ、ソフトマテリアルの分子の集合体における構造転移を解析した。
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9
Dec

弘大被ばく医療総合研究所の細田正洋教授(同大医学部大学院保健学研究科教授を兼任)のチームと、山形大有機材料システム研究科・高橋辰宏研究室の床次(とこなみ)僚真(りょうま)さん(博士後期課程2年、弘前南高校出身)らが約3年前から共同研究を開始。5日、研究成果を発表した。
通常、エックス線の遮蔽には鉛が使われ、エックス線検査の際に技師が着用する鉛入りエプロンや、検査室の窓の鉛入りガラスなどとして用いられている。しかし、重くなったり、ガラスが無色透明にならないなどのデメリットがあった。
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3
Dec
液
晶や高分子といった柔らかい物質群(ソフトマテリアル)は、構成する分子の集合体が複雑な秩序構造を自発的に形成することが知られています。
ある秩序構造から別の秩序構造への構造転移のメカニズムの解明は、物理学や数学といった基礎科学の興味深い問題であるのみならず、材料設計や加工といった応用の観点からも重要な問題です。
しかし、概してソフトマテリアルの秩序構造では、複雑な単位構造が集合してさらに複雑な高次の構造を形成するといった構造の階層性が、構造転移の詳細なメカニズムの解明を難しくしています。さらに、「この場所の構造(局所的な秩序構造)は何か」を的確かつ客観的に判定することも容易ではありません。

ある秩序構造から別の秩序構造への構造転移のメカニズムの解明は、物理学や数学といった基礎科学の興味深い問題であるのみならず、材料設計や加工といった応用の観点からも重要な問題です。
しかし、概してソフトマテリアルの秩序構造では、複雑な単位構造が集合してさらに複雑な高次の構造を形成するといった構造の階層性が、構造転移の詳細なメカニズムの解明を難しくしています。さらに、「この場所の構造(局所的な秩序構造)は何か」を的確かつ客観的に判定することも容易ではありません。
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29
Nov

ACFは、集積回路(IC)などの電子部品を基板に接続し、回路を形成するために用いられるフィルム素材だ。デクセリアルズの前身であるソニーケミカルが1977年に製品化し、現在ではスマートフォンやタブレット端末、高精細テレビなどのフラットパネルディスプレイを用いたデジタル機器のほぼ全てに回路接合のための材料として使われている。
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26
Nov

住友化学が開発した有機フォトダイオード(OPD)材料は、スマホのディスプレーで使われるセンサー向けなどを想定する。波長1400ナノメートル(ナノは10億分の1)帯に対応。可視光から短波赤外線まで調整できる仕様だ。同材料は溶液にすることもできるため、柔らかい基材や幅広い面積に加工できる点を訴求する。同社が強みとする有機合成技術などを応用して仕上げた。
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18
Nov
同期の売上高は前年同期比20.2%増の596億3500万円で、事業利益は38.2%増の223億2000万円となった。同社 執行役員 経営管理本部長の寺下和良氏は「顧客におけるミドルレンジのスマートフォンやハイエンドのタブレット端末で、蛍光体フィルムから有機ELディスプレイ(OLED)への切り替えが増え、蛍光体フィルムの売上高は低減した。
しかし、粒子整列型異方性導電膜(ACF)の需要がグローバルで拡大した他、自動車向け反射防止フィルムが中国や韓国のメーカーで採用件数が順調に増え増収増益となった」と話す。
しかし、粒子整列型異方性導電膜(ACF)の需要がグローバルで拡大した他、自動車向け反射防止フィルムが中国や韓国のメーカーで採用件数が順調に増え増収増益となった」と話す。
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18
Oct

ADYで発生した廃棄塩をリサイクルし製造された肥料は、ユーグレナから販売が開始されています。なお、本件について、2024年7月8日にAGCとユーグレナにて特許を出願しました。
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19
Aug
光の吸収率が99.3%という木材ベースの素材「Nxylon」を開発したと、ブリティッシュコロンビア大学の研究チームが発表しました。研究チームによると、このNxylonは全く関係のない研究の実験中にたまたま発見されたものだそうです。
ブリティッシュコロンビア大学のフィリップ・エバンス教授と博士課程の学生であるケニー・チェン氏は、高エネルギープラズマを使って木材のはっ水性を高める実験を行っていたとのこと。しかし、この高エネルギープラズマを、木材の繊維を垂直に切断した面に使用したところ、表面が真っ黒に変色したことに気付いたそうです。
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2
Aug
LG化学がアメリカのデュポンを抜き、「有機EL(OLED)蒸着材料」市場で2位に上昇する見込みだと市場調査会社DSCCが予測している。
2022年の市場で、アメリカのユニバーサルディスプレイコーポレーション(UDC)が1位、デュポンが2位、LG化学が3位だったが、2023年からLG化学が2位に浮上し、その地位を維持する見込みだ。
2022年の市場で、アメリカのユニバーサルディスプレイコーポレーション(UDC)が1位、デュポンが2位、LG化学が3位だったが、2023年からLG化学が2位に浮上し、その地位を維持する見込みだ。
19
Jul
12
Jun

一般に透過率は80%以上、シート抵抗値は20Ω/square(オームパースクエア)以下が要求される。ITOは希少金属で高価なインジウムを含むため、その使用量を減らす低コスト化の取り組みも求められる。
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6
Jun

このほど300ミリメートル角の基板を製品化した。半導体の大型化に備え、2024年には515ミリメートル×510ミリメートルの基板を開発したい考えだ。
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16
May

封止材メーカーのMORESCO(モレスコ)は、自社が誇る技術でペロブスカイト太陽電池の封止材需要を狙う。桐蔭横浜大学の宮坂力特任教授が国産ペロブスカイト太陽電池の実用化を目指して23年10月に立ち上げた技術連携コンソーシアムに参画しており、他の参画企業と連携しながら研究開発をしている。
モレスコは有機溶剤を含まない「ホットメルト接着剤」が主力。大人用紙おむつをはじめとする衛生材製品や自動車内装の組み立て用に展開している。その製品で培った高分子の変性技術や配合技術などを基に、ガラス基板の有機ELディスプレイ用封止材を開発し、中国や台湾のメーカーに供給している。
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10
May

同成果は、北大大学院 理学研究院の延兼啓純助教、同・大学大学院 工学研究院の丹田聡名誉教授(現・同・大学大学院 理学研究院所属)らの研究チームによるもの。詳細は、米国物理学会が刊行する物性物理とその関連分野全般を扱う学術誌「Physical Review B」に掲載された。
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8
May
23
Apr

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17
Apr

住友化学は石油化学や医薬品の不振で業績が悪化しており、事業の売却や撤退を進めている。売却で得た資金を負債の返済などあてる。
売却するのは安徽省合肥市と重慶市にある2社。住友化学グループが持つ全株式を5月31日付で譲渡する。売却額は非公表。液晶パネルの製造工程で使い、回路形成の過程で不要な部分を取り除く薬液などを製造している。
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10
Apr

IGZO-TFTは、フラットパネルディスプレイ(FPD)用途で広く採用されているIGZO技術をベースとした薄膜トランジスタ(TFT)。移動度が高く高速での読み書きが可能なため、キャパシターが不要な次世代2T0C(2トランジスタ/0キャパシター)メモリなどへの応用が期待されている。ただ、TFTをnmスケールで集積していくと、金属と半導体界面の接触抵抗が大きくなり、移動度や電力消費などに悪影響を及ぼしていた。
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26
Mar
DICは2024年3月25日、同年12月末までに液晶材料事業から撤退すると発表した。生産拠点となっている埼玉工場(埼玉県伊奈町)の一部と中国の青島にある子会社の一部も閉鎖する。併せて、同事業に関連して保有する知的財産を中国のSlichemに譲渡することも決定した。生産拠点の閉鎖をはじめとする事業撤退で発生する費用は、Slichemへの知的財産の譲渡益と合わせて現在精査中としている。
DICの液晶材料事業は、スマートフォンやテレビなどで広く用いられている液晶ディスプレイのTFT(Thin Film Transistor)駆動ディスプレイ用の液晶材料(TFT液晶)が主力製品だ。この他、より駆動方式がシンプルなパッシブ駆動ディスプレイ用の液晶材料も手掛けている。1973年にシャープが開発した世界初の液晶表示電卓での採用を皮切りに、50年以上の歴史を積み重ねてきた。
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DICの液晶材料事業は、スマートフォンやテレビなどで広く用いられている液晶ディスプレイのTFT(Thin Film Transistor)駆動ディスプレイ用の液晶材料(TFT液晶)が主力製品だ。この他、より駆動方式がシンプルなパッシブ駆動ディスプレイ用の液晶材料も手掛けている。1973年にシャープが開発した世界初の液晶表示電卓での採用を皮切りに、50年以上の歴史を積み重ねてきた。
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8
Feb
February 08, 2024 11:10
集めてつなげば協力し合う、量子ドットの新しい協同効果を発見して非線形光電流の増幅に成功―太陽電池、光エネルギーの有効利用につながる新現象―

半導体量子ドットはナノメートルサイズの微小な結晶であり、2023年のノーベル化学賞の受賞対象となった材料です。量子ドットの中に電子を閉じ込めることで、量子力学的な効果によって光の吸収や発光の波長を変えることができます。そのため、広い波長範囲の光を吸収して電気を取り出す太陽電池や、好きな色に光らせる発光ダイオードなどの光電デバイスの材料として注目されています。
本研究グループは、たくさんの量子ドットを集めた集合体がどのような物性機能を持つのかを明らかにするために、量子ドット同士を有機分子で結合させた量子ドット膜を作製し、光照射によって量子ドットに作られた電子を電流として取り出す実験を行いました。
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5
Feb
東京工業大学物質理工学院応用化学系の猿渡悠生大学院生と小西玄一准教授、大阪公立大学大学院工学研究科物質化学生命系専攻の竹内雅人准教授らによる研究グループは2024年1月、棒状の有機π電子系分子にアミド結合を導入することで、非水素結合性の「超分子液晶」を作製することに成功したと発表した。開発した超分子液晶を大面積に塗布する技術も開発した。この「超分子液晶」を用いた電子デバイスなど、新たな有機エレクトロニクスの開発につながる可能性があるとする。
研究グループは、π電子系分子に光・電子機能を付与し、シス型とトランス型の異なる構造を持つ3級アミドに着目した。実験では、長さが異なる棒状分子に3級アミドを導入したL字形状の分子を合成。フェニルトラン骨格を有する新規液晶分子の「PTAgroup」が、秩序性の高い液晶(スメクチックB相)であることを確認した。
1
Feb

有機ELにおいて電気的に励起された発光分子は、25%の励起一重項状態と75%の励起三重項状態を形成します。非発光性の励起三重項の蓄積は発光量子効率低下の原因となるため、スピン反転注1)によりこれを励起一重項へと変換して発光させる熱活性化遅延蛍光(TADF)機構注2)が注目を浴びています。
TADF機構は100%に迫る高い内部量子効率注3)を実現できる一方、スピン反転の効率が低いという課題があり、これを克服するための新たな分子設計理論の確立が待たれています。
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29
Jan

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26
Jan

菊陽町で生産を始めたのは、パソコンの液晶パネルなどのディスプレイ材料を生産する富士フイルムの子会社です。
半導体の製造段階において、半導体の表面を平らに削るために必要な、「CMPスラリー」と呼ばれる研磨剤を生産します。
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16
Jan
豊田工業大学の工学部の阿南静佳 助教、小門憲太 教授、金沢大学 理工研究域の栗原拓也 助教らの研究グループは、ナノサイズの孔の空いた結晶の中に液晶を導入したところ、結晶の中で液晶が一方向に並ぶことを見出しました。
さらに熱刺激によってその並び方と複屈折が変化することを明らかにしました。
なお、本研究成果は、ドイツ時間2024年1月5日(金)公開のChemistry-A European Journal誌に掲載されました。
ディスプレイなどに使われる液晶とは液体と結晶の間の状態のことであり、流動的であるにも関わらず分子が並んでいます。液晶は分子が異方的に並んでいるため、方向によって屈折率が異なる複屈折を示します。
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さらに熱刺激によってその並び方と複屈折が変化することを明らかにしました。
なお、本研究成果は、ドイツ時間2024年1月5日(金)公開のChemistry-A European Journal誌に掲載されました。
ディスプレイなどに使われる液晶とは液体と結晶の間の状態のことであり、流動的であるにも関わらず分子が並んでいます。液晶は分子が異方的に並んでいるため、方向によって屈折率が異なる複屈折を示します。
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15
Jan

水は人類を含む生物にとって極めて身近で重要であり、多くの自然現象を支配する奇妙な性質を示す液体でもあります。またキラリティという、右手と左手の関係のような鏡合わせの構造同士が異なる性質は、自然界に普遍的に存在し、生命の起源とも関わる重要な性質です。
東北大学多元物質科学研究所の新家寛正助教、北海道大学低温科学研究所の木村勇気教授、鳥取大学工学部機械物理系学科の灘浩樹教授と東京大学大学院総合文化研究科 広域科学専攻/附属先進科学研究機構の羽馬哲也准教授を中心とする研究グループは、これまでの研究で様々な氷と水との界面にできる通常の水と混ざり合わない低密度および高密度な未知の水や、液晶らしき未知の水を発見しています。
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15
Jan

2024年、大手化学メーカーの石油化学事業の再編論議が加速しそうだ。背景としてあるのが、中国の台頭による需給環境の変化と脱炭素対応だ。各社は石化事業における製品の付加価値化に取り組むほか、連携や再編の機運が高まっている。三菱ケミカルグループでは筑本学執行役エグゼクティブバイスプレジデントが4月に社長に就き、石化再編の戦略を練り直す考え。石化業界の今後を見据えた動きが新たなステージを迎えつつある。
石化業界は大きく二つの事業環境の変化にさらされている。一つが化学製品の基礎原料となるエチレンの生産だ。石油化学工業協会(石化協)の統計によると23年11月のエチレンプラント稼働率は84・1%だった。23年夏頃の80%を切った水準が続いた傾向から回復基調ではあるが、好不況の目安となる90%を16カ月連続で割り込んでいる。低稼働率は石化を手がける各社の業績に響く。
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13
Dec
住友化学は半導体関連の研究開発体制を拡充する。研究開発拠点で、複雑な構造の化合物開発に取り組む新組織を発足。半導体やディスプレー関連で使われる製品開発において、より川上から対応する考えだ。同社は半導体や電子材料を成長領域と捉えている。製品開発などの需要によりきめ細かく対応できる体制を整えることで、事業成長につなげる。
住友化学の情報電子化学品研究所(大阪市此花区)に、新たに「コアマテリアル合成グループ」を設けた。半導体の微細化など性能の向上に寄与する素材開発のほか、ディスプレー関連では有機ELの進展などを捉えてさらに性能を引き上げられる液晶化合物の研究開発を進める。
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住友化学の情報電子化学品研究所(大阪市此花区)に、新たに「コアマテリアル合成グループ」を設けた。半導体の微細化など性能の向上に寄与する素材開発のほか、ディスプレー関連では有機ELの進展などを捉えてさらに性能を引き上げられる液晶化合物の研究開発を進める。
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6
Dec
長瀬産業とナガセケムテックス、Sachemの3社は、半導体製造に使用される高純度現像液である「テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)」の回収・再生事業を展開することを発表した。
半導体チップは、シリコンウェハに回路を形成する前工程と、回路が形成されたシリコンウェハを半導体チップとして組み立てる後工程に分かれて製造され、前工程ではウェハに光を照射して回路パターンを描く工程である「フォトリソグラフィ工程」を繰り返すことでシリコンウェハ上に回路を形成する。
このフォトリソグラフィ工程において回路形成を行う際、半導体用高純度現像液(TMAH)が必要となるのだが、このTMAHの再生には高度な電解・精製技術を要することから、これまで回収・再生による再利用は困難とされており、環境負荷や収益面での課題となっていたという。
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半導体チップは、シリコンウェハに回路を形成する前工程と、回路が形成されたシリコンウェハを半導体チップとして組み立てる後工程に分かれて製造され、前工程ではウェハに光を照射して回路パターンを描く工程である「フォトリソグラフィ工程」を繰り返すことでシリコンウェハ上に回路を形成する。
このフォトリソグラフィ工程において回路形成を行う際、半導体用高純度現像液(TMAH)が必要となるのだが、このTMAHの再生には高度な電解・精製技術を要することから、これまで回収・再生による再利用は困難とされており、環境負荷や収益面での課題となっていたという。
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7
Nov
近畿大学理工学部応用化学科の今井喜胤教授と大阪公立大学大学院工学研究科の八木繁幸教授らによる研究グループは2023年10月、TADF(熱活性型遅延蛍光)分子を用いて、第3世代といわれる「円偏光有機発光ダイオード」を開発したと発表した。開発したダイオードに外部から磁力を加え、緑色の円偏光を発生させることにも成功した。加える磁力の方向によって、円偏光の回転方向を制御できることが分かった。
らせん状に回転している円偏光を利用した発光ダイオードは、3D表示用有機ELディスプレイなどの用途で注目されている。これらの材料としてはこれまで、蛍光材料やリン光材料が用いられてきたが、「発光量子効率」や「材料コスト」などの点で課題もあった。こうした中で登場したのが、安価な材料で構成され、エネルギー変換効率も極めて高いTADF材料である。
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らせん状に回転している円偏光を利用した発光ダイオードは、3D表示用有機ELディスプレイなどの用途で注目されている。これらの材料としてはこれまで、蛍光材料やリン光材料が用いられてきたが、「発光量子効率」や「材料コスト」などの点で課題もあった。こうした中で登場したのが、安価な材料で構成され、エネルギー変換効率も極めて高いTADF材料である。
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7
Nov
ダイセルの24年3月期第2四半期連結決算は売上高は2710億400万円で前年同期比1・8%増、営業利益は266億700万円で同2・2%増、経常利益は307億200万円で同1・5%増、四半期純利益は297億5100万円で同34・0%増となった。
セグメント別にみると、エンジニアリングプラスチック事業の売上高は1086億9600万円で同12・0%減、営業利益は61億2500万円で同57・6%減となった。ポリアセタール樹脂、PBT樹脂、液晶ポリマーなどポリプラスチックスの事業は、前年度から続く自動車部品の在庫調整の影響が第2四半期初めまで続いたことや、IT関連産業の需要低迷などにより販売数量が減少し、減収となった。ABS樹脂、エンプラアロイ樹脂、フィルム、水溶性高分子などダイセルミライズの事業は、OA機器や住宅設備機器の需要減少などにより販売数量が減少し、減収となった。
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セグメント別にみると、エンジニアリングプラスチック事業の売上高は1086億9600万円で同12・0%減、営業利益は61億2500万円で同57・6%減となった。ポリアセタール樹脂、PBT樹脂、液晶ポリマーなどポリプラスチックスの事業は、前年度から続く自動車部品の在庫調整の影響が第2四半期初めまで続いたことや、IT関連産業の需要低迷などにより販売数量が減少し、減収となった。ABS樹脂、エンプラアロイ樹脂、フィルム、水溶性高分子などダイセルミライズの事業は、OA機器や住宅設備機器の需要減少などにより販売数量が減少し、減収となった。
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16
Oct
東北大学の新家寛正助教と北海道大学の木村勇気教授らは、高圧氷と水との界面に新しい水の相を発見したと発表した。高圧氷の表面に液膜が形成され、通常の水と相分離して波模様を生じさせた。
模様を分析すると液晶と推定された。
液晶状態の水の発見は世界初。氷でできた星の地質現象や化学反応などに知見を提供していく。
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模様を分析すると液晶と推定された。
液晶状態の水の発見は世界初。氷でできた星の地質現象や化学反応などに知見を提供していく。
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12
Oct
LGディスプレイとLG化学は、これまで海外メーカーが独占してきたOLED(有機EL)の核心素材の国産化に成功したと発表した。
LGディスプレイとLG化学は9日、これまで全量輸入に頼っていたOLEDの核心素材「pドーパント(dopant)」を両社の独自技術で開発したと明らかにしている。
ドーパントは素子効率と色純度、寿命などを高めるためにOLED発光層に添加する化合物で、その中でもpドーパントはOLED発光効率の画期的な向上と素子寿命の延長、消費電力の低減に最も重要な役割を果たす。ただし、空気中で容易に変質する特性のため、開発難易度が最も高いOLED素材の一つとされている。
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LGディスプレイとLG化学は9日、これまで全量輸入に頼っていたOLEDの核心素材「pドーパント(dopant)」を両社の独自技術で開発したと明らかにしている。
ドーパントは素子効率と色純度、寿命などを高めるためにOLED発光層に添加する化合物で、その中でもpドーパントはOLED発光効率の画期的な向上と素子寿命の延長、消費電力の低減に最も重要な役割を果たす。ただし、空気中で容易に変質する特性のため、開発難易度が最も高いOLED素材の一つとされている。
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10
Oct
大阪大学 大学院基礎工学研究科 満留 敬人 准教授らの研究グループは、自然界に豊富に存在する、安価で低毒性の鉄を用いて高機能性触媒の開発に成功しました。
開発した鉄触媒は工業的に重要なニトリルからアミンへの液相水素化反応において高い触媒活性を示し、反応後の触媒は繰り返し再使用できます。
液相水素化反応において、高活性と耐久性を兼ね備える鉄触媒の開発は世界で初めての例です。
本研究成果は、2023年9月28日(日本時間)に英国学術誌「Nature Communications」誌のオンライン版に掲載されます。
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開発した鉄触媒は工業的に重要なニトリルからアミンへの液相水素化反応において高い触媒活性を示し、反応後の触媒は繰り返し再使用できます。
液相水素化反応において、高活性と耐久性を兼ね備える鉄触媒の開発は世界で初めての例です。
本研究成果は、2023年9月28日(日本時間)に英国学術誌「Nature Communications」誌のオンライン版に掲載されます。
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19
Jul
米中の対立がエスカレートする中、習政権は7月に入り、中国の安全と利益を守るためとして、希少金属であるガリウムとゲルマニウムの海外輸出を規制すると発表した。
中国は世界の市場に流れるガリウムの9割を握っており、日本はガリウムの輸入を中国に依存している。日本の半導体関連企業にも影響が出ると思われるが、どの程度のダメージになるかは現時点ではっきりしない。
ガリウムとゲルマニウムは半導体の材料として使われ、スマートフォンの顔認証に使っている面発光レーザーや液晶テレビのバックライトなどの白色発光ダイオードにも欠かせないものだ。
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中国は世界の市場に流れるガリウムの9割を握っており、日本はガリウムの輸入を中国に依存している。日本の半導体関連企業にも影響が出ると思われるが、どの程度のダメージになるかは現時点ではっきりしない。
ガリウムとゲルマニウムは半導体の材料として使われ、スマートフォンの顔認証に使っている面発光レーザーや液晶テレビのバックライトなどの白色発光ダイオードにも欠かせないものだ。
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20
Jun
● 三価ユウロピウム(Eu(III))錯体を用いた薄膜における発光機構を1兆分の1秒の時間分解能で逐次解析することによって詳細に明らかにした。
● 発光機構を基に薄膜内の光エネルギー移動効率100%、錯体単体と比較して400倍の発光強度を達成した。
発光性希土類金属錯体は色鮮やかな発光を示すことから、色再現度の高いディスプレイや視認性の高いセンサーなどを実現するための発光材料として期待されています。多くの実用的な発光デバイスは薄膜状であることから、その実現のためには薄膜中における希土類錯体の高効率・強発光を達成することが重要となります。しかし、このような状態における希土類錯体の発光機構が未解明であることが開発のボトルネックとなっていました。
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19
Jun
「産業技術総合研究所」の主任研究員の中国人の男が警視庁公安部に逮捕されました。
逮捕されたのは茨城県つくば市の国立研究開発法人「産業技術総合研究所」の主任研究員・権恒道容疑者(59)です。
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9
Jun

データが重視されるエレクトロニクスの領域において、完全にフレキシブルなOLEDディスプレイを搭載した自由形状デバイスは、トレンドとして急速に拡大しています。折りたたむ、丸める、広げるなど、伸縮可能なデバイスは、標準的なデバイスに比べてディスプレイモジュールを約60%薄くする必要があります。一方で、OLEDは湿気や酸素に非常に敏感なため、損傷を防ぐためには、適合性が高く柔軟性かつ耐久性に優れた封止材またはバリア材料が求められます。
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29
May
ポイント:
●自発光デバイスはディスプレイを中心とした幅広い用途に使用される
●有機ELよりも単純な素子構造で製造プロセスがシンプルな電気化学発光セルの発光層としてデンドリマーとセル
ロース由来電解質を使うことで長寿命化出来ることを発見
● 3原色発光の実現とさらなる長寿命化によって環境にやさしい発光デバイスとなることが期待
電気化学発光セル(LEC)*は構造と作製プロセスのシンプルさから有機EL素子に変わる安価な次世代の照明や表示デバイスへの応用が期待されています。しかし、発光材料と電解質の混合がうまく行かないことなどが原因で素子寿命が短いことなどが課題として挙げられています。
九州大学 先導物質化学研究所のアルブレヒト建准教授、山岡敬子テクニカルスタッフ、ミュンヘン工科大学シュトラウビングキャンパスのRuben Costa教授、Luca M. Cavinato 博士課程学生らの研究グループは、電解質との混合が良好な新規なデンドリマー型*熱活性化遅延蛍光(TADF)材料*を開発しました。
10
May

レセプション棟は、栃木事業所の正面入り口の右側、従来の来客受付の建物の向かい側に建設された。建屋は2階建てで高さ13.5m、建築面積は1299m2、延べ床面積は20452。デクセリアルズの主力製品であるフィルム製品群をイメージした外観を採用するとともに、太陽光発電システムや自然採光、自然風通などを活用することで、消費する年間の一次エネルギーがゼロとなるZEB(Net Zero Energy Building)基準を満たしている。
[参考記事] デクセリアルズ、蛍光体フィルム「PSシリーズ」を製品化
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4
Apr
香川大学-的場祐二(2021年度修士修了)、上村忍教授、舟橋正浩教授のグループ(創造工学部材料物質科学コース)は、拡張π電子系を導入した強誘電性液晶のバルク光起電力効果と分極誘起電界発光に関する新しい成果を日本化学会の欧文誌(Bulletin of the Chemical Society of Japan)に発表しました。
論文が優秀論文(Selected Paper)に選出され、論文に関するイラストが同誌のInside coverに採用されました。
論文題目:Diastereomeric Effect on Bulk Photovoltaic Property and Polarized Electroluminescence in Ferroelectric Liquid Crystals Containing an Extended π-Conjugated Unit
著者:Y. Matoba, S. Uemura, and M. Funahashi,
22
Mar
三井松島ホールディングスは17日、有機EL発光材料の開発に取り組むKyuluxに対して少額出資(出資比率1%未満)を実施したことを発表。
Kyuluxは、2015年に設立された九州大学発のベンチャー企業であり、レアメタルに頼ることなくコストパフォーマンスに優れた長寿命かつ高純度の発色、さらには高効率な発光を実現する有機EL発光技術「Hyperfluorescence」(HF)を軸に、有機ELディスプレイや照明に用いる次世代発光材料の開発に取り組んでいる。
また、国内外のディスプレイメーカーから出資を受けると共に、様々な協業を進めており、上記発光技術・材料の早期実用化を目指している。
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7
Mar

LGイノテック(代表チョン・チョルドン)は22日、クロスリアリティ(XR)デバイスに欠かせない製品である「2メタル(Metal)COF」を披露し、市場攻略を強化していくと発表した。この製品は、今年のCESでLGイノテックの「メタバース」コーナーで紹介され、来訪者の注目を集めた。
COF(Chip on Film)とは、ディスプレイとメイン基板(PCB)をつなぐ半導体パッケージ基板(Package Substrate)のことだ。テレビやノートパソコン、モニター、スマートフォンなどのディスプレイのベゼルの最小化が可能なので、モジュールの小型化にも貢献する。非常に薄いフィルムの上に微細回路を形成する必要があるため、高度な技術が必要となる。従来のフレキシブル基板(FPCB、Flexible Printed Circuit Boards)を置き換える“超微細フレキシブル基板”とも呼ばれている。
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2
Mar
santec株式会社は、液晶偏光回折格子(LCPG)とMEMS技術を利用した光可変減衰器(VOA)機能付きコア選択スイッチ(CSS)に関する論文を、2023年3月6日にOFC 2023で発表します。
本論文では、液晶偏光回折格子とMEMS技術を利用した光可変減衰器(VOA)機能付きコア選択スイッチ(CSS)を提案し、その原理実証を行いました。試作した19コア-1×8CSSは15Vp-pの印加電圧で最小挿入損失4.7dB、19.5dBの減衰を実現可能であることを確認しました。
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14
Feb

ドイツの化学大手Merckは2023年2月8日(ドイツ時間)、台湾・高雄市において、半導体材料の新工場を建設開始したと発表した。2025年に稼働予定で、薄膜、パターニング用の特殊ガスおよび半導体材料を生産する。
同社は2021年9月、エレクトロニクス事業のイノベーションと能力強化に向けグローバルで展開する成長戦略「Level Up」を発表。
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