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Flat Panel TV and Display World-2....液晶/有機EL・業界・動向

液晶・有機EL・プラズマ、FPD業界・パネルメーカー・関連企業情報を掲載。当ブログで激しい市場動向に追随!--Since Nov.2004

R_研究開発

5 Nov

有機エレクトロニクス技術の未来展望:半導体とディスプレイは研究から社会実装フェーズへ

003e9314-2560x1600有機材料は無機材料よりも軽量かつ柔軟で、製造・廃棄におけるエネルギー効率が高いため、これらを活用した有機エレクトロニクスは注目分野の1つです。
電子機器産業においては、有機半導体や電極から、ディスプレイや照明、太陽電池,トランジスタなど、さまざまな電子デバイスを作製できます。
シリコンや酸化物など既存の半導体と比べて、有機化合物はより低い温度での微細化が可能であり、溶液処理や塗布(印刷・塗工)でのデバイス作製ができます。
また、無機材料とくらべてしなやかであるため、大きく曲がるフレキシブル基板の上にも作製できます。このような特徴から、モバイルや生体認証などのウェアラブルデバイスへ用途を広げられることも魅力です。





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27 Oct

厚さ0.01mmで曲げられる。NHK技研が開発、シリコンイメージセンサーの機能

NHK 622f966NHK放送技術研究所(技研)は23日、厚さ0・01ミリメートルの薄くて曲げられるシリコンイメージセンサー(写真)を開発したと発表した。湾曲させて動作させることで横方向のぼやけを大幅に改善した映像の撮影に成功したという。2030年ごろまでに小型でぼやけの少ない広視野な放送用カメラの実用化を目指す。

イメージセンサーはレンズを通った光を電気信号に変換する素子。通常のイメージセンサーは硬くて厚いシリコン基板を使うため曲げることができない。このため、シリコン基板とシリコンデバイス層の間に薄い酸化膜を挿入した特殊な構造を用いることで厚いシリコン基板を化学反応によって取り除き、薄くて曲げられるシリコンイメージセンサーの開発につなげた。






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21 Oct

東京エレク 韓国3か所目のR&Dセンター着工式=サムスン半導体トップも出席

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日本の半導体製造装置大手、東京エレクトロン韓国法人の東京エレクトロンコリアは17日、ソウル近郊の京畿道華城市で研究開発(R&D)センターの着工式を開いた。

 東京エレクトロンの河合利樹社長や華城市長をはじめ、企業関係者ら約200人が出席した。同社と協力関係にあるサムスン電子からも半導体部門を統括する全永鉉(ジョン・ヨンヒョン)デバイスソリューション部門長(副会長)ら幹部が出席した。






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11 Oct

NTT、HDMI信号を世界最速で劣化なしに長距離伝送する技術。変換遅延は0.1ミリ秒以下

NTT PpAVBsLX 日本電信電話(NTT)は8日、HDMI信号を世界最速で劣化なしに長距離伝送する技術を発表した。
本技術は4K/120HzやフルHD/240HzなどのHDMI信号を非圧縮のまま世界最低遅延である0.1ミリ秒以下で光伝送信号へ変換するもので、高精細な映像と音声を劣化させずに遠隔地でリアルタイムに再現できるという。

 VRやAR分野において、物理的に離れていても多数の人が同じ場所にいるかのような、没入感の高いリアルタイムコミュニケーション空間の実現が求められている。没入感を得るためには、映像を複数地点で同時に感じられるリアルタイム性と、実物を見ているように感じられる高精細さの両方が必要で、HDMI信号を長距離伝送する際には低遅延かつ高精細であることが求められる。






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10 Oct

[セミナー: 12/10] 国際学会および特許解析も踏まえたディスプレー最新技術2024

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セミナー紹介:

2024年1月に開催された国際展示会「CES2024」では、韓国のSamsungおよびLGがOLED搭載高輝度テレビを展示しました。搭載ディスプレーはそれぞれ量子ドットOLED(QD-OLED)と白色OLED(WOLED)で、ピーク輝度は共に昨年の2000から3000nitsに向上しています。
XR、すなわちVR/MR/ARの新製品も多く提案されました。VR/MRでは産業用途狙いのソニーおよびパナソニック資本の米国Shiftall(シフトール)、ARは中国Xreal(エックスリアル)が代表です。
これとは別に、2024年2月にはヘッドマウントディスプレー(HMD)「Apple Vision Pro」が米国で販売開始され、市場評価が出始めています。搭載ディスプレーはシリコン基板上に形成された8K高精細のOLED(OLEDoS)です。






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7 Oct

青色LED上にペロブスカイトナノ結晶膜を形成した高輝度赤色変換LED、山形大が開発

Screenshot 2024-10-07 14.10.16山形大学は10月1日、InGaN系半導体による青色LED上にメタクリレート系ポリマーバインダーに分散したペロブスカイトナノ結晶膜を形成した波長変換(色変換)型LEDを作製することで、赤色ナノ結晶LEDにおいて高い発光効率(外部量子効率)とデバイス寿命を維持しつつ、高輝度化にも成功したことを発表した。

同成果は、山形大大学院 理工学研究科の横田大輔大学院生、同・齋藤心護大学院生、同・大音隆男准教授、同・大学院 有機材料システム研究科の阿部遥大学院生、同・柳橋健人大学院生、同・千葉貴之准教授らの共同研究チームによるもの。






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20 Sep

[中央大学] 2024年度日本液晶学会討論会において、虹彩賞、若葉賞を受賞しました

理工学研究科 修士課程1年(研究開発機構 池田研究室)の松本滉平さんと石川朋奏さんが、日本液晶学会討論会において下記ポスター賞を受賞しました。

松本滉平さん 虹彩賞(最優秀ポスター賞)
石川朋奏さん 若葉賞(学生優秀ポスター賞)

【学会名】日本液晶学会討論会

【開催期間・場所】2024年9月11〜13日・富山大学






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17 Sep

有機太陽電池の性能向上へ 「励起子束縛エネルギー」の低減に成功 大阪大・岡山大など

swsl01vW大阪大学、岡山大学、神戸大学、名古屋大学の研究グループは11日、新たに開発した有機半導体が光から電流へのエネルギー変換への妨げとなる励起子束縛エネルギーの低減に成功し、作製した有機太陽電池で従来より優れた特性を得たと発表しました。
 研究成果は8月12日にドイツ化学会誌「Angewandte Chemie International Edition」にオンライン速報版として掲載されました。







 
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12 Sep

液晶ディスプレーの開発は継続、CTOが語るシャープの将来像 シャープ 専務執行役員CTO 種谷元隆氏

シャープ 専務CTO 種谷元隆2-2デバイス事業はアセットライトに
 2024年5月14日に発表した中期経営方針では、堺ディスプレイプロダクト(SDP)でのテレビ向け大型液晶パネルの生産から撤退するとともに、中小型ディスプレー事業も生産能力を縮小することを明らかにしました。ディスプレー事業は大幅縮小のように見えますが、開発は継続するのでしょうか。

- 液晶ディスプレーに関する開発は継続します。弊社では元々、ディスプレーをユーザーに提供する価値の最大化のためのインターフェースと位置付けていました。今後はウエアラブル端末など、人々の“自然な生活”をサポートする、本来あるべきハードウエアを実現するための開発を行います。中小型では、車載や仮想現実(VR)向けの販売拡大に期待しています。

 半導体事業に関しては、中期経営方針で「さらなる成長を目指し、他社への譲渡を推進」としましたが、縮小する計画でしょうか。

- 半導体事業については、いわゆる「アセットライト」を図ります。巨額投資をしてそれを回収する、これまでのモデルから離れます。親会社の台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業に向けて、ノウハウの継承や協力などを検討しています。一方で、技術開発においてチャンスがある領域では開発を継続します。






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7 Sep

2024年日本液晶学会討論会・液晶交流会

2024年日本液晶学会討論会を9月11日(水)から13日(金)の日程で、富山県富山市の富山大学五福キャンパスにて開催いたします。
討論会では、口頭発表、ポスター発表、招待講演、学会賞受賞者による受賞講演に加え、会員の要望に沿うようなセッションを企画しております。
また、ポスター賞として、虹彩賞に加え、修士課程以下に在籍中の学生を対象とした若葉賞(学生ポスター発表賞)を設けております。大学、公的研究機関、企業の研究者の方々はもちろんのこと、若手研究者、学生の皆様の口頭発表、ポスターセッションへの積極的なご応募をお願い申し上げるとともに、会員の皆様の討論会へのご参加をお待ち申し上げております。
また、9月12日(木)には、5年ぶりに懇親会を開催いたしますので、そちらもぜひご参加ください。






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27 Aug

「洋上太陽光」を東京湾で実証、国産フロートも採用

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東京都江東区にある中央防波堤エリアに、海水面を使った「洋上浮体式」の太陽光発電設備が浮かんでいる。

この設備は三井住友建設が設置した。東京都政策企画局が主導する「東京ベイeSGプロジェクト 先行プロジェクト」に採択され、2023年11月に設置した。国内では初めての洋上における浮体式太陽光発電の実証になるとしている。

同プロジェクトには東急不動産も採択されている。両社の浮体式太陽光発電設備は近くに設置されている。
三井住友建設は淡水の内水面を利用する水上太陽光発電向けに、太陽光パネルを水面に浮かべるための部材であるフロートを製造・販売している。また、農業用などのため池の水面を借りて、この自社製のフロートを使った太陽光発電事業にも取り組んでいる。






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27 Aug

サムスン「バッテリー消費半分で従来より美麗なディスプレイ」開発中、スマホの小型化にも大きく貢献か

samsung top_m5500mAhを超えるバッテリーを持つスマホも続々登場しているなか、Galaxy Note 7での苦い経験もあってか大容量化にはかなり消極的なSamsung。

特に折りたたみスマホで顕著でしたが、どうやらディスプレイの製造開発も手がける同社の強みを生かしたアプローチを取り入れるようです。詳細は以下から。

海外メディアの報道によると、Samsungは偏光フィルムのない有機ELディスプレイを開発しているそうです。








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23 Aug

小さいナノカーボンで正孔を輸送できる -炭素と水素のみで従来の主力材料に匹敵する正孔輸送能を実現-

20240822_3_fig理化学研究所(理研)開拓研究本部 伊丹分子創造研究室の伊丹 健一郎 主任研究員(名古屋大学 トランスフォーマティブ生命分子研究所(WPI-ITbM)主任研究者)と東ソー株式会社 有機材料研究所の森中 裕太 主任研究員(研究当時、現同社 研究本部先端融合研究センター 先端材料研究所 主任研究員)らの共同研究グループは、ヘテロ原子や置換基を一切用いずに、有機ELの正孔輸送材料として機能する炭化水素系正孔輸送材料を発見しました。






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22 Aug

青色有機ELの電子移動を促進する材料選択  超低電圧青色有機ELの実用化に向けて

news-35197-01東京工業大学 科学技術創成研究院 フロンティア材料研究所の伊澤誠一郎准教授、静岡大学 工学部 化学バイオ工学科の藤本圭佑准教授らの研究グループは、超低電圧で発光する青色有機ELにおいて、適切な材料の組み合わせを用いることで、エネルギー損失のない高効率な電子移動が可能となることを実証した。

有機ELは、テレビやスマートフォンディスプレイ等で実用化されている一方で、光の三原色の中で最もエネルギーが高い青色の発光については、駆動電圧が高く(3 V以上)消費電力が大きいという課題を抱えている。同研究グループの伊澤准教授らが開発したアップコンバージョン[用語1]有機EL(UC-OLED)では、2種類の有機分子の界面におけるアップコンバージョン過程を利用することで、世界最小電圧の1.5 V以下での青色発光を実現した。一方で、UC-OLED内部の電子移動反応の詳細はこれまで明らかにされておらず、高効率化のための材料選択指針が求められていた。

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19 Aug

光を99.3%吸収するめちゃくちゃ黒い木材ベースの素材「Nxylon」が偶然発見される

光の吸収率が99.3%という木材ベースの素材「Nxylon」を開発したと、ブリティッシュコロンビア大学の研究チームが発表しました。研究チームによると、このNxylonは全く関係のない研究の実験中にたまたま発見されたものだそうです。

ブリティッシュコロンビア大学のフィリップ・エバンス教授と博士課程の学生であるケニー・チェン氏は、高エネルギープラズマを使って木材のはっ水性を高める実験を行っていたとのこと。しかし、この高エネルギープラズマを、木材の繊維を垂直に切断した面に使用したところ、表面が真っ黒に変色したことに気付いたそうです。







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15 Aug

8K有機EL TV画面を駆動可能 高電子移動度の酸化物TFT

tm_240809hokkaido01 北海道大学電子科学研究所の曲勇作助教や太田裕道教授らの研究グループは2024年8月、高知工科大学理工学群の古田守教授らと共同で、電子移動度が78cm2/Vsで安定性に優れた「酸化物薄膜トランジスタ」を開発したと発表した。次世代8K有機ELテレビの画面を駆動することが可能となる。

 現行の4K有機ELテレビでは、画面を駆動するのに酸化物IGZO薄膜トランジスタ(a-IGZO TFT)が用いられている。このトランジスタの電子移動度は5~10cm2/Vs程度である。ところが、次世代8K有機ELテレビの画面を駆動しようとすれば、電子移動度が70cm2/Vs以上の酸化物薄膜トランジスタが必要になるという。





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31 Jul

「映像が鏡超える」 飛び出す立体映像 VRゴーグルなしで同時視聴 世界初システム、NTTが開発

ntt 3D NTTは26日、鏡の中に表示したバーチャルキャラクターを鏡の外へも自在に移動させることができる新たな映像技術「超鏡空中像」の表示システムを世界で初めて開発したと発表した。
従来技術では鏡の中にしか表示できなかったが、3面鏡のように鏡を配置することで、立体映像が鏡面を超えて空中に飛び出して見えるシステムを構築。VRゴーグルや3Dグラスなしで、複数の人が裸眼で同時に視聴できる。
鏡に映った自分の手を使って空中像を操作することもでき、博物館や美術館でのイベントやデジタルサイネージへの応用が期待されている。

 NTTが開発した超鏡空中像表示技術は、鏡面という物理的な制約にしばられず、デジタル情報を鏡の外にまで移動できるようにした新たな映像技術だ。





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30 Jul

高性能有機ELデバイスの開発に成功 ~発光分子の性能を最大限に引き出す有機薄膜の総合設計~

20240723_01_01国立大学法人東京農工大学大学院工学研究院生命機能科学部門の田中正樹助教と国立大学法人九州大学 最先端有機光エレクトロニクス研究センターの安達千波矢教授らの研究グループは、有機ELデバイスを構成する有機薄膜の自発分極や電荷輸送特性を精密に制御することで、高性能な有機ELデバイスの開発に成功しました。
本研究では、デバイス劣化の一因である過剰な電荷蓄積を抑制するために、有機薄膜の自発分極および電荷輸送バランスを最適化する分子(ホスト分子)を新たに開発し、発光分子が有する性能を最大限に引き出すことで、デバイスの性能向上を実現しました。この成果により、今後、有機ELデバイスの精密設計が可能となり、デバイスのさらなる高性能化につながると期待されます。





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11 Jul

シャープ、技術展示イベントを9月17日と18日に開催 AIやEVなどがテーマ

Screenshot 2024-07-10 05.39.05シャープは技術展示イベント「SHARP Tech-Day’24 “Innovation Showcase”」を9月17日と18日に開催する。場所は東京国際フォーラム(東京・千代田区)。参加には事前予約が必要だが、参加費はかからない。

2023年11月にも技術展示イベント「SHARP Tech-Day」を開催したシャープ。2024年のテーマは「AI」「EV」「Green Energy」「Industry」「Communication」となる。







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9 Jul

<チャイナテックの逆襲>韓国製が90%だった折りたたみ有機EL、いまは中国製が53%(1)

Screenshot 2024-07-09 05.51.04手で操作する透明ディスプレー、バーチャルリアリティ(VR)に接続するヘッドセット…。

未来を描いた空想科学映画にはディスプレーがよく登場する。スマートフォン、テレビ、自動車、VR機器などに搭載されるディスプレーは電子市場の最前方を占める核心部品であり、関連素材・製造設備など後方技術競争力を左右する装置産業だ。

韓国はLGディスプレーとサムスンディスプレーを中心に2004年から17年間世界1位の座を守りこの市場を主導してきたが、2021年に中国企業に1位を明け渡してから追われる境遇だ。
液晶パネル(LCD)市場を掌握した中国はいまや有機ELのような最先端技術でも韓国にぴったり追いついている。






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21 Jun

高層ビルが「発電所」に 窓や壁に…次世代型太陽光電池の未来 省エネ&創エネを実現

Screenshot 2024-06-21 05.26.47ビルの窓や壁に設置して発電できる次世代型の太陽光電池の研究開発が進んでいる。透明で熱を吸収するタイプもあり、普及が進めば電力不足の解消だけでなく、温暖化対策にも期待がかかる。技術的にはまだ確立されていない部分もあるが、都市に林立するビルそのものが「発電所」となる未来が見えつつある。

10センチ四方と手のひらほどしかない薄いガラス板。「高層ビルの窓に設置すれば、建物そのものが発電所となり、災害に強い街づくりにもつながる」。赤外線(赤外光)を使って発電する次世代型の太陽光電池を開発した大阪大産業科学研究所の坂本雅典教授(光化学)はこう説明する。





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13 Jun

JDI、様々な素材の表面をタッチパネルへ変貌させるインターフェイス ZINNSIA(ジンシア)の開発

Screenshot 2024-06-12 16.40.25当社(ジャパンディスプレイ)は、様々な素材の表面をタッチパネルへ変貌させるインター フェイス ZINNSIA(ジンシア)を開発しましたのでお知らせいたします。
ZINNSIA は、木材、大理石、表皮、布、石膏ボードなど、これまでセンサーとして使用することが難しかった素材でも 、指の動きを検知することを可能にする、革新的なインターフェイスです。
多くの素材に対応することができるため、幅広い市場、製品への展開が可能となります。 







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29 May

NHK、放送最新の研究成果を一般公開「技研公開2024」(5/30〜6/2開催), 伸縮ディスプレイなど...

DSC04881_sNHKは、放送にまつわる最新の研究成果を一般公開する「技研公開2024」を、5月30日〜6月2日に東京・世田谷にあるNHK放送技術研究所で開催する。
28日には開催に先駆けてメディア向け説明会が行なわれ、伸縮可能なフルカラーディスプレイや好みに応じて3D/2D表示を切り替えられる3次元ディスプレイなどが披露された。開催時間は10時~17時で入場自由、事前予約不要。会場所在地は東京都世田谷区砧1-10-11。

フルカラー伸縮ディスプレイ
フルカラー伸縮ディスプレイは、柔軟なゴム基板上に液体金属を使った伸縮配線とLEDを使ったもの。従来の金属配線は、基板が変形すると電気抵抗の上昇や断線が起こるため、伸縮ディスプレイには適用できなかったという。そこで金属配線の材料に液体金属を採用することで、伸縮させても断線することなく、電気抵抗も低く維持できる伸縮配線を開発した。

2023年の技研公開でも柔軟に変形できるディスプレイが展示されていたが、昨年のものは緑や白などの単色表示のみ可能だった。それに対し、今年の展示ではフルカラー表示が可能になった。








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24 May

第5回ジャパンリサーチフロントアワード発表、ディスプレイ関連では"多重共鳴型TADF材料による高効率・高色純度有機ELデバイス開発"受賞

RD webp第5回目となる今回は、研究内容とその成果の潜在的な可能性を重視し、最近の被引用数の伸びが著しく上昇傾向にある論文および学術分野に着目してフロントを選出。

その結果、1万2726あるフロントのうち、日本の研究機関の存在感が大きかったのは213で、それをさらに分析することで最終的に11のフロントを決定したとする。具体的な選出方法としては、対象期間によく引用された論文(コアペーパー)が5件以上のフロントを選出し、さらにその中から日本の研究機関発の論文が20%を超すフロントを選出。

その後、第一著者、最終著者、連絡著者が日本の研究機関開発の論文が20%を超えるフロントへと絞り込み、少なくとも1本の第一著者/最終著者/連絡著者がホットペーパーであること、またはCitation Topicsのグローバルシェアが最近2年間で伸びていること(30人以上の著者の論文は対象外)を条件として最終受賞者の選出を行ったとしている(加えて、今回は対象者を2001年以降に学位を取得した若手・中堅研究者とした)。





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21 May

LGディスプレー「超高解像度OLEDoS新技術開発…VR・AR機器狙う」

Screenshot 2024-05-21 08.34.30「われわれはディスプレーが得意だが半導体がなく、SKハイニックスは半導体が得意だが有機ELがないのでシナジーを出してみようという趣旨でした。そうして『ホタルプロジェクト』が誕生しました」。

17日にソウル・麻谷洞(マゴクドン)のLGサイエンスパークで会ったLGディスプレー先行技術研究所のヤン・ジュニョン所長は最近開発に成功した超高解像度OLEDoS新技術の始まりをこのように回想した。
この技術を公開した論文は14日に米サンノゼで開かれた世界最高権威のディスプレー学会SID2024で「今年の優秀論文」に選ばれ、ヤン所長は功労賞を受けた。





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10 May

北海道大学、鉄を微量に含んだ二次元層状物質における超伝導磁束の液晶状態を観測

webp北海道大学(北大)は5月8日、二次元層状物質である遷移金属「ダイカルコゲナイド化合物」に微量の鉄(Fe)原子をインターカレート(層状物質の層間への他の原子や分子の挿入)することで、超伝導磁束の液晶状態とそのダイナミクスの観測に成功したことを発表した。

同成果は、北大大学院 理学研究院の延兼啓純助教、同・大学大学院 工学研究院の丹田聡名誉教授(現・同・大学大学院 理学研究院所属)らの研究チームによるもの。詳細は、米国物理学会が刊行する物性物理とその関連分野全般を扱う学術誌「Physical Review B」に掲載された。





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8 May

反芳香族分子からなる液晶材料の創製に成功 ー特有の集積構造の形成と高い電気伝導性の発現ー

Screenshot 2024-05-08 09.03.24京都大学分子工学専攻の関修平教授は、立命館大学生命科学部の前田大光教授らの研究チーム、北里大学未来工学部の渡辺豪教授、名古屋大学大学院工学研究科の忍久保洋教授らと共同で、反芳香族分子の積層3量体からなる配列構造を新たに形成し、半導体特性を示す液晶材料の創製に成功しました。

本研究成果は、2024年4月16日(現地時間)に、「Chemical Science」に掲載されました。

詳細内容 --> コチラ





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1 May

出光興産 - 有機ELフルカラーディスプレイ実用化への貢献で紫綬褒章を受章

d23740-463-b93fb39f05ddfcc3de5b-3出光興産株式会社社員の舟橋 正和(ふなはし まさかず)が、令和6年春の褒章「紫綬褒章」を受章しました。
紫綬褒章は、科学技術分野における発明・発見や、学術およびスポーツ・芸術文化分野における優れた業績を挙げた個人に授与されます。
今回の受章は、高効率かつ長寿命の青色発光技術の発明により、有機EL発光において実用レベルでの三原色発光が可能となり、近年の有機ELフルカラーディスプレイを搭載した高機能機器の実用化に大きく貢献したことが評価されました。





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1 May

九州大学発、有機半導体レーザーダイオードの商業化を目指すKOALA Tech

Screenshot 2024-05-01 08.33.58KOALA Tech(コアラテック)は、九州大学の最先端有機光エレクトロニクス研究センター(センター長:安達千波矢)で開発された有機半導体レーザーダイオード(OSLD)技術の商業化を目指すスタートアップだ。

この技術は、高精細フレキシブルディスプレイを含む有機光・電子デバイスへの応用が期待でき、次世代レーザー光源として注目されている。
代表取締役でCEO/CTOのFatima Bencheikh氏に、テクノロジーの概要や事業展開について聞いた。





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23 Apr

屈折率1.8超、分解可能な透明プラスチックを開発

Screenshot 2024-04-23 08.25.14 早稲田大学 理工学術院の小柳津研一(おやいづけんいち)教授、および渡辺清瑚(わたなべせいご)次席研究員、ミュンヘン工科大学 StraubingキャンパスのRubén D. Costa 教授、およびLuca M. Cavinato 博士課程学生らの研究グループは、硫黄を含む水素結合を組み込んだ独自の高分子を設計し、従来達成が難しいとされていた1.8以上の超高屈折率と透明性を両立し、使用後には分解できる新しいプラスチックを開発しました。





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10 Apr

電極界面の接触抵抗を約3桁も低減したIGZO-TFT

Screenshot 2024-04-10 08.56.11東京工業大学国際先駆研究機構元素戦略MDX研究センターの辻昌武特任助教とShi Yuhao(施宇豪)大学院生、細野秀雄特命教授らによる研究チームは2024年4月、水素と触媒反応を利用し、金属と半導体界面の接触抵抗を従来に比べ約3桁も低減させた「アモルファス酸化物半導体(IGZO:InGaZnOx)トランジスタ」(IGZO-TFT)の開発に成功したと発表した。

 IGZO-TFTは、フラットパネルディスプレイ(FPD)用途で広く採用されているIGZO技術をベースとした薄膜トランジスタ(TFT)。移動度が高く高速での読み書きが可能なため、キャパシターが不要な次世代2T0C(2トランジスタ/0キャパシター)メモリなどへの応用が期待されている。ただ、TFTをnmスケールで集積していくと、金属と半導体界面の接触抵抗が大きくなり、移動度や電力消費などに悪影響を及ぼしていた。





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9 Apr

高性能シリコン太陽電池を安全に製造する技術を確立、東工大

Screenshot 2024-04-09 09.15.28東京工業大学は2024年3月14日、次世代の太陽電池として期待されているシリコンヘテロ接合(SHJ)太陽電池用の水素化アモルファスシリコン(a-Si:H)を、既存手法で用いる強い爆発性/毒性を持つSiH4(モノシラン)ガスを使用せずに、実用的な製膜速度でシリコンウエハー上に形成することに成功したと発表した。

 SHJ太陽電池は、理論効率である29%に迫る26.8%の発電効率を示すなど、次世代の高性能太陽電池として期待されている。SHJ太陽電池の高い効率は、a-Si:Hをシリコンウエハー表面のパッシベーション層(ウエハー表面でのキャリア再結合を抑制する層)として用いることに起因している。一方で、a-Si:H層の形成プロセス(プラズマCVD法、Cat-CVD法)では、強い爆発性/毒性を持つSiH4ガスを使用するため、太陽電池における主流となっているPERC(Passivated Emitter and Rear Cell)型の構造を持つ結晶シリコン太陽電池に比べて製造コストが高いことが課題となっている。





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8 Apr

【名城大学】窒化ガリウム面発光レーザーにて 20%を超える電力変換効率を初めて実証 -AR/VRディスプレイなどへの応用に期待-

Screenshot 2024-04-08 08.59.30名城大学理工学部材料機能工学科の竹内哲也教授、上山智教授、岩谷素顕教授、および産業技術総合研究所先端半導体研究センターの亀井利浩研究主幹の研究グループは、AR/VRディスプレイやポイントオブケア検査(ポータブル分析器などを用いて、患者の近くでリアルタイムに行う検査)などへの応用が期待される窒化ガリウム面発光レーザー(波長420 nm)にて、20%を超える電力変換効率を初めて実証しました。





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4 Apr

高性能シリコン太陽電池、東工大が危険ガス使わぬ製造手法開発

Screenshot 2024-04-04 09.10.57東京工業大学の宮島晋介准教授と李莎莎大学院生は、高性能なシリコン太陽電池を安全に製造する手法を開発した。結晶シリコンの表面に強い爆発性と毒性を持つ原料ガス(SiH4ガス)を使わずに、高速かつ低ダメージでキャリア再結合抑制効果の高い薄膜を形成する。シリコンヘテロ接合太陽電池の低コスト化につながる。

宮島准教授らは、シリコンヘテロ接合太陽電池向けの水素化アモルファスシリコンについて、スパッタ法の一つである「対向ターゲットスパッタ」を使うことで、SiH4ガスを用いずに形成できることを確認した。





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18 Mar

有機EL研究、振り返る 山形大・城戸教授が最終講義、成功の心得伝授

Screenshot 2024-03-18 09.33.25有機EL研究の第一人者・山形大の城戸淳二卓越研究教授(65)が本年度末で定年退職を迎えるのを前に、最終講義が15日、米沢市の同大米沢キャンパスで開かれた。城戸教授は限られた予算、設備から始まった研究生活を振り返り、科学者として成功するための心得を学生に伝授した。  

城戸教授は1989年に助手として同大に着任した。着任当初、大学内の実験装置は限られ、「フラスコからのスタート」だったという。他の機関の設備を借りるなどして、研究を進めてきた。93年に世界で初めて白色有機EL素子の開発に成功。高効率化、長寿命化などで成果を上げ、有機EL研究の拠点化に貢献してきた。





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11 Mar

静岡大が色あせないカラーフィルム、フレキシブルディスプレーなどに期待

shizuoka univ 1静岡大学の研究グループは、金ナノ粒子を着色剤とするカラーフィルムを開発した。顔料や染料を使う手法よりも発色性が高く、半永久的に色あせない。柔軟性と伸縮性を持たせられる他、金ナノ粒子の大きさや形状を変えることで、青や緑、マゼンタなど、さまざまな色のカラーフィルムを作製できる。

 大面積の製造が可能になれば、宇宙などの過酷な環境で使うカメラのカラーフィルターや、フレキシブルディスプレーなどへの応用が期待できるという。







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4 Mar

液晶メーカー・ジャパンディスプレイ(JDI)がヘルステックに参入 産学連携でドライバーの健康管理

JDI yOCL6b5Tp産業用や車載用の様々な製品に向け液晶モジュールを提供するジャパンディスプレイ。新しくB to Bサービスとして開始するのは、スマートリングによる従業員の健康管理だ。岡山大学などと共同で、ドライバーの健康管理と輸送の安全性向上に向けた共同研究にも着手する。

ジャパンディスプレイ(JDI)は、スマートリングによる健康見守りサービス「Virgo(ヴァーゴ)」の提供を開始すると2024年2月6日に記者会見で発表した。まずは、従業員の健康状態を把握・改善したい企業や組織向けに提供する計画だ。

JDIは国内電機メーカーの液晶ディスプレイ事業の中でも、中小型液晶パネル事業を再編して2012年に発足した企業だ。主力事業では10年連続で赤字が続いており、2019年からはいちご・アセットマネジメントグループの支援の下で経営再建を目指している。現CEOのスコット・キャロン氏はいちごグループの創業者だ。





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1 Mar

日本電気硝子が厚さ200μm以下の超薄板ガラスを開発、高耐熱性のITO形成にも対応

Screenshot 2024-03-01 09.04.32日本電気硝子は「nano tech 2024 第23回 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」(2024年1月31日~2月2日、東京ビッグサイト)に出展し、開発した超薄板ガラス「G-Leaf」や超薄板ガラスと樹脂積層体を組み合わせた「Lamion[フレキシブル]」、紫外線遮蔽超薄板ガラス、化学強化専用超薄板ガラス「Dinorex UTG」のサンプルを披露した。

直径3mmの折り曲げにも対応するタイプも用意  

G-Leafは厚さ200μm以下の超薄板ガラスで、ガラスのフィルム化を実現している。薄くて軽く、ロールtoロールプロセスの適用や配送の効率化に対応する。耐熱性やガスバリア性などガラスの特性を保持しているため機能性も高い他、板厚が薄く曲げにより生じる引っ張り応力も小さい。そのため、曲げ半径が小さくなっても破壊することがなく、フレキシブル性に優れる。日本電気硝子のブース説明員は「ここまで薄く平滑なガラスを製造できる会社はグローバルでみても数社しかない」と語る。





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27 Feb

3%の添加で高効率円偏光発光フィルムを実現するキラル誘起材を北里大などが開発

webp227北里大学、茨城大学、青山学院大学(青学)の3者は2月22日、重量比わずか3%添加するだけで、有機ELデバイスなどに用いられる汎用発光性ポリマー「ポリ(9,9-ジオクチルフルオレン-コ-ベンゾチアジアゾール)」(F8BT)を円偏光発光性の色素材料に変えるキラル誘起添加剤を開発したことを共同で発表した。

同成果は、北里大 理学部の長谷川真士講師、同・真崎康博教授、茨城大大学院 理工学研究科(理学野)の西川浩之教授、青学 理工学部 化学・生命科学科の長谷川美貴教授らの共同研究チームによるもの。詳細は、ナノテクノロジーを含む材料科学に関する学際的な分野を扱う学術誌「Advanced Functional Materials」に掲載された。





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27 Feb

自動車向け液晶調光フィルムをより高機能に、世界トップクラスの水準を誇る中国ベンチャーが20億円調達

g1116oswg856_img_jpg液晶調光フィルムの開発・製造・販売を手がける中国企業「隆昇光電(ChiefWay)」(全称、上海隆昇光電新材料)がこのほど、シリーズB+で毅達資本と安誠資本から1億元(約20億円)近くを調達した。資金は、生産ライン建設、設備調達、人材獲得および研究開発に充てられる。

社長の潘烜氏によると、隆昇光電の中心メンバーは2005年から調光フィルムの開発に携わるベテランで、調光フィルム・ガラスの国家基準の策定にも参画している。また、同社は蓄積してきた技術力や大量の実施例はもとより、サプライチェーンの上流から下流までを網羅するリソースを保有しているという。

調光フィルムは、自動車のサンルーフガラスやリアガラスなどに活用される。大開口のサンルーフと調光フィルムを組み合わせれば、断熱・保温効果と開放的な車内空間を両立でき、省エネと温室効果ガスの排出削減にもつながる。





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26 Feb

次世代太陽電池「ペロブスカイト」、市場の行方と日本の勝ち筋

04d1f277-2625-4e16-b453-378a3ff7fc9f次世代太陽電池の本命と期待される日本発の「ペロブスカイト太陽電池」。国内外で事業化を目指す研究開発が活発になっている。この競争を日本企業は勝ち抜けるか。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託を受けてペロブスカイト太陽電池に関する海外の研究開発動向などを調査する資源総合システム(東京都中央区)の貝塚泉・首席研究員に聞いた。

-ペロブスカイト太陽電池の市場展望は。  

まだ製品が世の中に出ていない現状で、見通しを判断することは難しいです。まずは、現状の課題がクリアできるかどうか。製品の課題としては、耐久性と安定性があります。大面積化したときに高い変換効率を出せるか。大面積の場合、ペロブスカイトの膜を均質に作製することが難しいため、現在は小面積に比べると変換効率が低い水準にあります。そうした課題を乗り越えた上で量産化が進むことが期待されます。メガソーラーなど大規模な発電事業では、バンカビリティを満たせるかも問われます。

-バンカビリティとは。
 
融資適格性のことです。事業には当然、資金調達が必要で、金融機関はその採算性を検討します。その際に融資適格の判断を得られるかどうかです。融資は、製品はもちろん、施工業者や保守・点検サービスがそろい、安定したビジネスモデルができてなされます。既存の結晶シリコン系太陽電池はそれらがすでに確立しており、ペロブスカイト太陽電池もそうした面が整わなければ、大規模な発電事業ではシリコン系と同じような使い方はできません。





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8 Feb

集めてつなげば協力し合う、量子ドットの新しい協同効果を発見して非線形光電流の増幅に成功―太陽電池、光エネルギーの有効利用につながる新現象―

2402_main_tahara田原弘量 白眉センター/化学研究所特定准教授、金光義彦 化学研究所教授、坂本雅典 同准教授、寺西利治 同教授の研究グループは、半導体量子ドットを集めて結合させることで現れる新しい協同効果を発見し、その効果を利用して非線形光電流を増大させることに世界で初めて成功しました。

 半導体量子ドットはナノメートルサイズの微小な結晶であり、2023年のノーベル化学賞の受賞対象となった材料です。量子ドットの中に電子を閉じ込めることで、量子力学的な効果によって光の吸収や発光の波長を変えることができます。そのため、広い波長範囲の光を吸収して電気を取り出す太陽電池や、好きな色に光らせる発光ダイオードなどの光電デバイスの材料として注目されています。

 本研究グループは、たくさんの量子ドットを集めた集合体がどのような物性機能を持つのかを明らかにするために、量子ドット同士を有機分子で結合させた量子ドット膜を作製し、光照射によって量子ドットに作られた電子を電流として取り出す実験を行いました。





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5 Feb

東京工大らが「超分子液晶」を作製 新たな電子デバイスの開発に期待

240129titech01東京工業大学物質理工学院応用化学系の猿渡悠生大学院生と小西玄一准教授、大阪公立大学大学院工学研究科物質化学生命系専攻の竹内雅人准教授らによる研究グループは2024年1月、棒状の有機π電子系分子にアミド結合を導入することで、非水素結合性の「超分子液晶」を作製することに成功したと発表した。開発した超分子液晶を大面積に塗布する技術も開発した。この「超分子液晶」を用いた電子デバイスなど、新たな有機エレクトロニクスの開発につながる可能性があるとする。

 研究グループは、π電子系分子に光・電子機能を付与し、シス型とトランス型の異なる構造を持つ3級アミドに着目した。実験では、長さが異なる棒状分子に3級アミドを導入したL字形状の分子を合成。フェニルトラン骨格を有する新規液晶分子の「PTAgroup」が、秩序性の高い液晶(スメクチックB相)であることを確認した。







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1 Feb

次世代有機EL発光材料の 発光効率の増幅効果を新理論から発見!

Screenshot 2024-02-01 10.08.46国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学大学院理学研究科の羽飼 雅也 博士前期課程学生、名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所(WPI-ITbM※)の柳井 毅 教授、藤本 和宏 特任准教授、国立大学法人 九州大学高等研究院の安田 琢麿 教授らの研究チームは、次世代有機EL発光材料の発光効率を増幅する新しい量子機構の理論的発見に成功しました。

 有機ELにおいて電気的に励起された発光分子は、25%の励起一重項状態と75%の励起三重項状態を形成します。非発光性の励起三重項の蓄積は発光量子効率低下の原因となるため、スピン反転注1)によりこれを励起一重項へと変換して発光させる熱活性化遅延蛍光(TADF)機構注2)が注目を浴びています。

TADF機構は100%に迫る高い内部量子効率注3)を実現できる一方、スピン反転の効率が低いという課題があり、これを克服するための新たな分子設計理論の確立が待たれています。





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30 Jan

次世代半導体パッケージ研究で新組織、レゾナックが米で構築へ

34c8dd8c6dレゾナックは2025年以降に米国で次世代半導体パッケージ実装技術に関する研究開発コンソーシアムを構築する方針だ。25年をめどに米国に新設する研究開発拠点を活用し活動することを想定。コンソーシアムの参画企業と後工程における最適な半導体材料の組み合わせを研究し、商品力や提案力を強化する。次世代半導体の先進地域である米国で他社との協業を加速させ、世界の半導体材料開発をリードする。

レゾナックは米シリコンバレーに半導体材料などに関する研究開発拠点を新設する予定で、地の利を生かして現地などの半導体後工程関係に関わる企業を中心に参画企業を集める考え。コンソーシアムは日本で構築・運用しているコンソーシアムと同様の活動を想定しており、今後具体的な組織を検討する方針だ。





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29 Jan

低温で巨大な自発分極および比誘電率を有する強誘電性二量体分子液晶の開発に成功

news-34012-02東京工業大学 科学技術創成研究院 未来産業技術研究所の中杉茂正民間等共同研究員、石崎博基特任教授、姜聲敏特任准教授(以上、LG Japan Lab株式会社研究員兼務)、曽根正人教授、渡辺順次特任教授、Tso-Fu Mark Chang(チャン・ツォーフー)准教授、同 工学院 電気電子系の間中孝彰教授の共同研究チームは、東京工業大学LG Material & Life Solution協働研究拠点において、低温で8 μCcm-2を超える自発分極[用語1]と8,000を超える比誘電率を有する強誘電性二量体分子液晶を開発した。





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23 Jan

近大、ペロブスカイト量子ドットを用いて円偏光のマルチカラー制御に成功

QDot webp近畿大学(近大)は1月19日、半導体材料のペロブスカイト量子ドットに対して、外部から磁力を加えることで「円偏光」を発生させ、その組成によってマルチカラーに色調を変えることに成功したことを発表した。

同成果は、近大 理工学部 応用化学科の今井喜胤教授、近大 理工学部 エネルギー物質学科の田中仙君准教授らの共同研究チームによるもの。詳細は、欧州15か国16の化学団体が参加するChemistry Europeが刊行する無機化学に関する全般を扱う学術誌「European Journal of Inorganic Chemistry」に掲載された。





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17 Jan

imec、有機ELより1000倍明るい光を発するペロブスカイトLEDを開発

独立系半導体研究機関であるベルギーimecは、最新世代の有機EL(OLED)と比べても1000倍明るい光を発するペロブスカイトLEDスタックを開発したと発表した。 詳細は1月4日付で「Nature Photonics 電子版」に掲載された。imecでは実験結果について、ペロブスカイト注入レーザーに向けた重要なマイルストーンであり、画像投影、環境センシング、医療診断などにおける刺激的な応用が期待されるとしている。

LEDは現在、さまざまな場所の照明用途に活用されている。また、有機ELもスマートフォン(スマホ)を中心に活用されているが、これらの発する輝度は最大にしてもまばゆいほどではない。 一方、特定の結晶構造を持つ材料の一種であるペロブスカイトは、太陽電池への活用が期待されてきたが、近年はさらなる用途開発が進められつつある。
優れた光電気特性、低コストの加工性、効率的な電荷輸送を備えており、過去10年間にわたってLEDなどの発光用途の候補として探索が続けられてきた。しかし、ペロブスカイトは高い電流密度に耐えることができるものの、高強度のコヒーレント光を放出するレーザー動作にはまだ到達していない。





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16 Jan

結晶の孔の中で液晶が強固に並んで刺激に応答 --温度に応答する新しい材料を開発 --

豊田工業大学の工学部の阿南静佳 助教、小門憲太 教授、金沢大学 理工研究域の栗原拓也 助教らの研究グループは、ナノサイズの孔の空いた結晶の中に液晶を導入したところ、結晶の中で液晶が一方向に並ぶことを見出しました。
さらに熱刺激によってその並び方と複屈折が変化することを明らかにしました。
なお、本研究成果は、ドイツ時間2024年1月5日(金)公開のChemistry-A European Journal誌に掲載されました。

ディスプレイなどに使われる液晶とは液体と結晶の間の状態のことであり、流動的であるにも関わらず分子が並んでいます。液晶は分子が異方的に並んでいるため、方向によって屈折率が異なる複屈折を示します。





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15 Jan

キラルな高圧氷と水の界面にキラル液晶らしき水を発見――水と鏡のミステリアスな関係

400230394液晶というのは、物質の状態のことを言います。気体、液体、個体と同列で液晶があるのですが、今でも不思議です。

水は人類を含む生物にとって極めて身近で重要であり、多くの自然現象を支配する奇妙な性質を示す液体でもあります。またキラリティという、右手と左手の関係のような鏡合わせの構造同士が異なる性質は、自然界に普遍的に存在し、生命の起源とも関わる重要な性質です。

 東北大学多元物質科学研究所の新家寛正助教、北海道大学低温科学研究所の木村勇気教授、鳥取大学工学部機械物理系学科の灘浩樹教授と東京大学大学院総合文化研究科 広域科学専攻/附属先進科学研究機構の羽馬哲也准教授を中心とする研究グループは、これまでの研究で様々な氷と水との界面にできる通常の水と混ざり合わない低密度および高密度な未知の水や、液晶らしき未知の水を発見しています。





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当サイト特集カテゴリー
1.液晶の歩んできた道(第一部)
液晶の黎明期から実用化を果たすまでの過程をわかりやすく解説することを目指して書きました。

2.液晶の歩んできた道(第二部)
液晶が当面の最終目標だった大型テレビに採用され夢の平面テレビが実現した過程を解説していく予定です。(開始時期未定)

3.用語辞典(技術・ビジネス・企業)
管理人特選の最新技術用語やビジネス用語・関連企業を解説しています。時間の許す限りのアップ、今後充実を目指します。
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