特に最大市場の中国向けは同27%増の1343億円で、2023年11月以降6カ月連続で増えた。中国で電気自動車(EV)を含む新エネルギー車の生産台数や携帯電話端末の出荷台数が増加しており、最終製品の回復が電子部品の出荷額増につながっているようだ。
続きを読む »
液晶・有機EL・プラズマ、FPD業界・パネルメーカー・関連企業情報を掲載。当ブログで激しい市場動向に追随!--Since Nov.2004
June 02, 2022 07:27
液晶パネルの価格と需要が回復してきたことで、部材の需要も堅調だ。ガラス基板は不足気味で、値下がりも四半期ベースで2%程度に落ち着いている。ドライバーICにも不足感がある。唯一、偏光板は需要こそ堅調だが、参入メーカーの淘汰が進まないため競争が激しく、各社の収益環境が改善していない。
米シナプティクスは13日、都内で事業戦略説明会を開き、有機エレクトロ・ルミネッセンス(EL)ディスプレー、生体認証、自動車関連事業に注力する方針を示した。有機ELディスプレー向けの投資を拡大し、数カ月以内にディスプレー用駆動ICの製品化を目指す。また2年後をめどに、ディスプレー画面上で指紋認証できる技術を実用化する。
液晶に使われる部材メーカーに目を向けると、厳しい環境でしたたかに稼ぐ、日本企業の姿が見えてくる。
図は、液晶ディスプレーに使われている、部材メーカーの部門利益率・増益率をまとめたものだ。タッチパネルを手掛ける日本写真印刷、偏光板の日東電工など、意外にも高収益を誇る企業の多いことがわかる。
これらに加え、偏光板の保護に使われるTACフィルムを製造する富士フイルムも、液晶分野で稼ぐ企業の一つだ。
高い収益性の背景にあるのは、各市場の寡占状態。テレビやパネルといった川下分野において、日本勢は、サムスングループとLGグループのテレビ2強を擁する韓国勢に加えて、中国、台湾勢との競争を強いられてきた。
一方で部材は、プレーヤーが集約されている。たとえば液晶層は、独メルクと、チッソ傘下のJNCで、約9割のシェアを占める。ガラス基板や偏光板についても、2〜3社の大手メーカーが市場を分け合っている状況だ。