シャープの亀山第1工場(通称=亀1、三重県亀山市)と第2工場(通称=亀2、同)は中空の渡り廊下でつながっている。その一部にシャープ社員の通り抜けが禁じられている通路がある。米アップルの社員数十人が常駐する亀1のフロアに通じる通路だ。2011年、シャープは液晶テレビ販売の不振を受け、「世界の亀山モデル」の生産基地だった亀1をスマートフォンやタブレット端末向け中小型液晶の生産拠点に作り替えた。このときアップルは、iPhone向けの液晶を安定調達するため、1000億円の設備投資のうち、約700億円を負担したとされている。それ以来、亀1は実質的に「アップル専用工場」になっている。亀1は登記上、シャープの工場だが、アップルの機密を扱う部屋にはシャープの社員も立ち入れない。いわば治外法権の「租借地」だ。
昨日の日経新聞が報じています。
「亀1を分社化してほしい」 シャープの経営危機が表面化した2012年春以降、アップルは何度かシャープに亀1の「割譲」を要請していると言います。シャープに万が一のことがあった場合、iPhone向けの液晶パネルの調達に支障が出ると懸念しているからで、逆にアップルからの受注がなくなったら亀1はつぶれてしまうから、シャープも簡単には分社化に同意しない。
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